空き家が増えている福井県敦賀市の市営住宅=2月26日

 福井県敦賀市の市営住宅で空き家が増えている。市内12団地の全1596戸のうち、1月末時点で空き家戸数は3割超の512戸。そもそも市の保有戸数が福井県内の他市に比べて過大な状況だが、空き家率は10年前と比較し倍以上となっている。市は、空き家のうち6割は老朽化で解体・改修するために政策的に入居募集を停止していると説明するが、応募数自体も減っており、積極的な利活用を求める声も上がっている。

 敦賀市の市営住宅の戸数は2015年度時点で、福井市に次ぐ多さ。県内9市平均と比べ2・4倍の保有状況となっている。太平洋戦争後に敦賀港へ上陸した引き揚げ者らのために多くの公営住宅が整備され、それらが戸数を維持したまま昭和50年代に鉄筋コンクリート造などに建て替えられたのが、過大保有の要因とされる。15年度に策定した市公営住宅等長寿命化計画では、戸数を32年度に1300戸にまで減らす方針。

 市は老朽住宅を解体し、新築せずに改修で対応するなどして戸数を年々減らしてきているが、入居数も減り続け空き家率は増加の一途。08年度は1702戸のうち249戸が空き家だったが、5年後の13年度は1624戸中340戸。16年度には1608戸中437戸と空き家の割合が加速度的に増えた。

 市は1月末時点の空き家512戸のうち、318戸は解体・改修のために入居募集を停止している団地の「政策空き家」だと説明。実質空き家は194戸とし、解体・改修予定の団地に入居している人らの移転用の確保分を考慮すると、約60戸が入居可能戸数とする。

 ただ、ここ3年は新規入居数が大きく減少している状況。市住宅政策課は「入居の応募自体が減っている。住宅に困窮している世帯が少なくなっているとの見方もあるが、そうとは言い切れない。ニーズと合っていない部分があるかもしれないので、入居要件の緩和などを慎重に検討したい」とする。

 市議の一人は「入居したくても『政策空き家』だとして希望する団地に入れずに困っている市民もいる。空き家があるのに貸さないのは市にとっても家賃収入が入らず損失なので、時代に合ったリフォームなどで入居者を増やすよう改善すべきだ」と指摘している。

関連記事