【越山若水】店の入り口でピッ。棚に並ぶ飲料や菓子から欲しいものを取り、出口でまたピッ。レジに並ばなくても、これで会計が済んでいる。無人コンビニは便利この上ない▼昨秋、東京都内の駅で実証実験が行われた。その模様はネットで知るばかり。普及までにどんな壁が立ちはだかっているのか、理系オンチには想像が及ばない▼米国や中国はもう少し先を行っているらしい。それを考え合わせると、無人コンビニは早晩、当たり前になるのだろう。喜ぶべきか警戒すべきか、難しいところだ▼コンビニのオーナー団体が24時間営業の見直しに向け、セブン-イレブン・ジャパンに団体交渉を申し入れたという。地域によって営業時間の短縮を認めるよう求めたい考えだ▼求人を出してもアルバイト店員が集まらない。妻を亡くしたオーナーが何とか24時間営業を続けたものの、8カ月間に休めたのは3日―。ある加盟店が上げた悲鳴が発端だった▼コンビニは全国に5万5千。いまや、なくてはならないインフラだ。いつでも開いているので安心、と頼り切っていたら、舞台裏では心身の限界まで働く人たちがいた▼無人コンビニなら人手不足の悩みは無用だし、より便利になる。いいことずくめかといえば、そうではない。どこかの大企業が資金力に任せ、津々浦々に無人店を作っていったら? 仕事が一つ地域から消える。

関連記事