会談するトランプ米大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長。協議は合意に至らなかった=2019年2月28日、ハノイ(AP=共同)

 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は2月28日、ベトナムの首都ハノイで2日目の首脳会談を行った。非核化や米朝関係改善、朝鮮半島の平和体制構築について協議したが、トランプ氏は会談後の記者会見で合意に至らず、合意文書の署名を見送ったと明らかにした。焦点だった具体的な非核化措置を巡る進展はなく、朝鮮戦争(1950~53年)の終戦宣言についても一致できなかったもようだ。

 また、日本政府関係者は、トランプ氏が米朝首脳会談で日本人拉致問題を取り上げたと明らかにした。

 トランプ氏は北朝鮮が制裁解除を求めたが「われわれはできなかった」と述べ、両国に「溝がある」と明らかにした。ホワイトハウスは記者会見に先立ち「今回は合意に至らなかったが、協議を継続することを期待している」との声明を発表した。

 両首脳は一対一の会談後、ポンペオ国務長官や金英哲(キムヨンチョル)党副委員長らを同席させ、拡大会合を開いた。AP通信によると、拡大会合後に予定されていた昼食会は中止された。サンダース米大統領報道官は28日午後4時(日本時間同6時)前に開催予定だったトランプ氏の記者会見を2時間前倒しすると明らかにした。

 米側は首脳会談に先立つ交渉で、朝鮮戦争の終戦宣言や相互連絡事務所の設置を打診。完全非核化に向けた第1段階の措置として寧辺の核施設などの査察や廃棄受け入れを求めた。北朝鮮は「相応の措置」として制裁解除や南北経済協力の容認を要求していた。

 金正恩氏は28日午前の会談冒頭「最終的に立派な結果が出るよう最善の努力をする」と表明。トランプ氏は非核化交渉について「急いでいない。正しい取引をしたい」と強調した。

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