福井県の福井市は2019年度から、高齢化が進む中山間地域の小規模集落で自治会運営をサポートしてもらう「特定集落支援員」制度を始める。該当集落の要望を受け、周辺居住者など地域の実情に詳しい人に業務を委嘱。清掃や草刈りといった集落維持のための支援に加え、大きな負担となっている各種委員や地区役員への就任、市との連絡調整役も担ってもらう。市まち未来創造室は「自治会を存続できるよう、人口減少や少子高齢化の時代に合った形で負担軽減に努めていきたい」としている。

 少数の高齢世帯で構成する市内の自治会が今冬に解散したことを受け、2月26日の市議会一般質問で今村辰和議員(一真会)が連鎖を懸念し対応策を質問。玉村公男総務部長が答えた。

 支援員制度は、住民の半数以上が75歳以上で、10世帯未満で構成する中山間地の集落で運用する。同室によると、殿下や本郷など5地区にある計10集落を想定しており、いずれも集落の構成世帯で自治会をつくっている。

 市が該当集落(自治会)に制度を紹介し、要望を受けた上で、周辺集落の居住者や該当集落の出身者ら地域の実情に詳しい人を対象に支援員を委嘱する。支援活動が円滑に進むよう、自治会長らに推薦してもらうことを条件とする。

 支援員の活動内容は▽清掃や草刈り、各種行事への参加、各種委員や地区役員への就任、災害時の状況確認▽集落(自治会)のニーズ把握や住民の意見集約▽毎月の市への報告書提出や関係機関への対応。市が月額1万円の報酬を支払う。

 制度の新設に当たり、新年度当初予算案に120万円を計上している。県の集落活性化支援事業を活用し、市の負担分は半分の60万円。

 また、自治会解散の背景にあるとみられる各種委員や地区役員のなり手不足、大きな業務負担について、玉村総務部長は「市として重く受け止めている」と述べ、2月中旬に市の関係部署で改善に向けた検討会議を開いたことを明らかにした。

 各種団体の活動に支障を来すことがないよう今後は各団体とも協議する方針で、「委員の配置基準や業務量について見直しを進めることで、自治会の負担を少しでも軽減できるよう取り組んでいく」とした。市まち未来創造室によると、見直しは2020年1月をめどに実施を予定している。

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