【越山若水】〈深海でプラスチックを食べる亀〉という川柳をネットで見かけた。事実を詠んだだけだが、ゾッとする。私たちは他の生き物に何という仕打ちをしてきたことか▼海に流れ込んだプラスチックごみは、波に洗われて細かい粒になる。それをカメや魚が、餌と間違えて食べてしまう。内臓を調べて分かった悲惨な現実である▼浦島太郎のように助けてあげられるわけもない。私たちにできるのは、プラごみを減らすことだろう。でなければ、あと30年後には魚よりプラごみが多い海になる▼分かっていながら動かなかった国が、ようやく腰を上げる。レジ袋の有料化を義務づけたりして、使い捨てプラスチックの排出量を2030年までに計25%減らしていくという▼プラごみの量を1人当たりでみると、日本は米国に次いで世界2位。ちゃんと分別していても、リサイクルされるのは数%だ。何はともあれ作る量、捨てる量を減らすしかない▼マヨネーズの昔の広告コピーに「都市にはパッケージのない食品が必要です」というのがあった。何もかもパッケージ入り。けれどサラダの野菜は違うというのである▼30年以上も前なのではっきりしないが、このころ野菜はむきだしで売られていたのだったか。いまは根菜でも青菜でもビニール袋入り。環境保護を世間に訴えて、目に耳に新鮮だったコピーをもう一度、と思う。

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