児童虐待に関する相談が増え、部屋が足りない日もある=2月13日、福井県福井市の県総合福祉相談所

 福井県内で児童虐待に関する相談が急増し、児童相談所(児相)が対応に追われている。千葉県野田市の小学4年女児が死亡した事件では、虐待リスクを認識しながら十分に対応しなかったとの批判が児相に集まった。福井県内の児相は「虐待から子どもを救うため県民の関心が高まって事案の掘り起こしにつながるのはよいことだが、職員負担は限界にきている」と疲弊している。

 県内の児相は福井市と敦賀市の2カ所にある。県によると2017年度、児相に寄せられた虐待対応件数は553件。11年度の166件から6年間で約3・5倍に増えた。配偶者への暴力で子どもがストレスを受ける「心理的虐待」がほぼ半数を占め、警察からの情報提供の増加が主な要因という。

 一方、虐待問題に向き合う職員数はこの間、約2割の増員にとどまり、17年度は26人で対応した。虐待以外にも不登校や非行、発達障害といった相談もあり、職員1人当たり1日3~5件を担当することも。

 虐待案件の保護者から怒鳴られたり、脅されたりして身の危険を感じた職員がいることや、1人で家庭訪問すると虐待を見落とす可能性があることから、児相の役割を担う県総合福祉相談所(福井市)では原則、複数人で対処することにしている。

 情報提供や相談があると、複数の職員で24時間以内に児童の安全を確認。家庭訪問や通報者からの聞き取りで、一時保護すべきかどうか判断する。保護者と何度も面談し、保護した後のケアも行うなど「(統計上の)553件だけで終わらない仕事。職員はくたくたで負担の限界を超えている」(同相談所)のが現状だ。

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