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 デンマーク生まれのめちゃくちゃ変わった映画です。主人公は、緊急通報指令室という、日本の119と110番が合体したような場所で働くオペレーターのアスガー。警察官の彼は、ある事件を起こして一線の現場を外れ、ここに配属されました。ある日かかってきた一本の電話。電話の様子でその女性が誘拐されていることを察知したアスガーは、彼女を救おうとするのですが……。

 彼は、自分のパソコンの前から動くことはできません。使えるのは自分の目の前にある担当電話とヘッドセットのみ。相手の声と、中継地点の位置だけでアスガーはなんとか彼女を救おうと必死になります。この映画がすごいのはここなんです。画面にはアスガーしか出てきません! アスガーと同じく、観客も、電話の向こう側のビジュアルは一切見れない! 舞台はこの緊急通報指令室だけ。私たち観客はアスガーと通報者が<会話>していく様子をひたすら目撃していくことになるんです。

 正直、こんなおじさんの電話しているとこ見ていたって飽きるでしょうよと思っていた私ですが、途中からどんどん前のめりに! なんか声しか聞こえていないの、ドキドキです。電話の向こう側の声だけで、一体今どれほど恐ろしいことが起きているのか、映像で見るよりも自分の脳内の方が恐ろしい。ラストのクライマックスに向けて、会話だけで盛り上げていった監督の手腕はすごい! この作品、世界中の映画祭で観客賞を受賞した作品です。88分間のハラハラを体感し、この映画が持ちかける問題をぜひ考えてみてほしいです! ★★★★☆(森田真帆)

脚本・監督:グスタフ・モーラー

出演:ヤコブ・セーダーグレン

2月22日(金)から全国公開

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