江澤隆輔教諭が実践する時短アイデアの一例

 教員の長時間労働が問題となる中、福井県坂井市春江東小学校の江澤隆輔教諭(34)が「教師の働き方を変える時短 5つの原則+40のアイディア」(東洋館出版社)を著した。「教材・授業研究や生徒指導など根幹の仕事に時間を費やすため、手早く済ませるべき仕事は極力短い時間で行うことが大切」と同教諭。業務の効率化につながる時短術を紹介している。

 ■子どもに任せる

 国や県教委がまとめた教員の働き方改革には、一部業務の地域委託や部活動数の削減が盛り込まれた。ただ、こうした改革は住民や保護者の理解が必要で、調整に相当の労力が求められる。「教師の意識で時間節約できる余地はある」と江澤教諭。自身の実践が役立てばと2017年から足かけ2年にわたり執筆した。

 「子どもに任せられることは任せる」がポリシーだ。例えば時間割や委員会の名簿といった教室の掲示物。パソコンを使って装飾するなど、こだわって作る教員もいるというが、同教諭は台紙や色鉛筆を用意し、作りたいという児童生徒に任せることが多い。「子どもの手書きの方が味があるし、自分たちで学級づくりを進める雰囲気が育つ」

 ミニテストやプリントの採点は「○」は付けず、間違えた箇所に「×」を付けるだけにとどめるときも多い。採点スピードが上がるだけでなく、児童生徒も間違ったところを発見しやすいそうだ。

 長丁場になりがちな職員会議も“メス”を入れるべきだと指摘。自身の経験で、100ページを超える資料が配られ、それを読むところから始めるため6時間以上かかった会議もあったという。資料のPDFデータを教員の共有フォルダに入れ、事前に目を通してから会議に臨むことで議論がはかどり、印刷の時間、手間も省けると提案している。

 ■浮いた時間活用

 江澤教諭は以前は部活後に同僚と話し込むなど「ダラダラ仕事をしてしまうタイプだった」。退校は午後9時を過ぎるのは日常的で、日付をまたぐことも。その後、結婚し、育児する中で働き方を見直し、中学校勤務では同6時半、小学校では同6時には退校するようにしており「締め切りを決めて追い込むことで生産性が上がる」と強調する。

 前任の金津中では、時短術を駆使して浮いた時間で教材研究や授業準備に注力。英語科の教員とともに独自の教材を作成するなどし、生徒の英語力を向上させた。こうした取り組みは民間の教育機関や出版社の目に留まり、英語指導のノウハウを紹介する書籍を2冊出版している。

 江澤教諭は「私自身、子どもに本を読み聞かせたり、一緒に風呂に入ったりする経験は、教室で児童生徒と向き合う中で生きている。校外で自分を磨くなど、プライベートの時間を充実し、心にゆとりを持つことは結果的に教師の糧になると思う」と話している。

 書籍は3月上旬発売。142ページ。1800円(税抜き)。

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