青切符を切られた男性と同様の白衣と布袍を着て車の運転席に座る僧侶。仏教界で法事のため僧衣で運転する機会は日常的にあるという=福井県福井市

 福井県の40代男性僧侶が僧衣で車を運転して交通反則切符(青切符)を切られた問題で、政府は僧衣や和装での運転が道交法違反に当たるかどうかは「個別具体的な事例に則して、各都道府県警で適切に判断し、対応すべきだ」とする答弁書を2月8日付で閣議決定した。国民民主党の大西健介衆院議員の質問主意書に答えた。僧衣運転に対しての明確な基準は示されなかった。

 僧侶は昨年9月、福井県福井市の県道(通称フェニックス通り)で運転中に反則切符を切られた。福井県警は、県道交法施行細則に基づき(1)袖がシフトレバーなどに引っ掛かる(2)裾の幅が狭いため足が動かしにくくブレーキ操作が遅れる―と判断したと説明したが、僧侶は不服として反則金の支払いを拒んだ。書類送検の可能性があったが、県警は結局、違反事実を認定できなかったとして、書類送検しなかった。

 この問題を巡っては、「違反となる衣服の基準を周知すべきだ」といった声が市民から上がっている。僧侶本人も「(運転時に着ていた僧衣の)布袍(ふほう)と白衣(はくえ)で今後運転して大丈夫なのかどうかを知りたい。どうしたらいいのか明確に示してほしい」と話している。

 インターネット上に、各地の僧侶が僧衣で二重跳びやジャグリングなどをして、柔軟な動きができることをアピールする動画が「#僧衣でできるもん」というハッシュタグ(検索目印)を付けてSNSに続々とアップされ、話題となった。僧侶が属している浄土真宗本願寺派も「僧侶が服装を理由に反則処理をされたことは到底受け入れがたい事案。弊派全体に及ぶ大きな問題で、今後の対応に注目していきたい」と話していた。

 運転者への規則で「運転操作に支障のある衣服」を禁じているのは福井県など15県にとどまり、都道府県によって規則がばらついている。警察庁は1月30日、福井新聞の取材に対し「規則の内容は、各都道府県の公安委員会が(それぞれ)判断するものと承知している」と回答している。

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