小中高校生に向け「時間を気にせず何かを調べて」と呼び掛ける梶田隆章所長=2月11日、福井市のアオッサ

 福井県内の小中高校生に科学技術への関心を高めてもらう県教委の「ふくいサイエンスフェスタ2018」が2月11日、福井市のアオッサで開かれた。2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章・東京大宇宙線研究所長が講演し「一度ぐらいは時間を気にせず、何かを調べる経験をしてほしい」と、参加した学生ら約500人にエールを送った。

 梶田所長は岐阜県飛騨市の鉱山の地下千メートルに設置された観測装置「カミオカンデ」「スーパーカミオカンデ」を使った実験に参加。素粒子の一種であるニュートリノに質量があることを発見した。

 梶田所長は多くの研究者とともに地下で装置を作り上げていったことを振り返り「楽しくてやりがいがあった。皆さんもチームワークで何かを成し遂げる経験を積んでほしい」と呼び掛けた。

 質量の発見は、ニュートリノの解析を進める中で、予想に反した実験結果が出たことがきっかけだった。その解明に専念していた時期について梶田所長は「研究者として楽しい時期だった。謎を解くワクワク感があった」と笑顔で語った。

 カミオカンデはもともと、原子核内の陽子の崩壊を検出するために建てられ、ニュートリノの研究につながった。1984年に故南部陽一郎氏がカミオカンデの研究所を訪れたことも紹介。「実験室のドアに英語で『100年後、私はよみがえって、陽子の崩壊を見てみたい』とメッセージを書いてくれた」というエピソードを披露した。

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