一周忌を迎え、花が供えられた現場=2月5日、福井県坂井市丸岡町上竹田の国道364号

 福井県内で12人が亡くなった2018年2月の記録的大雪から1年、今年は一転して雪のない日が続いている。富山県に住む当時19歳の会社員男性が、雪に埋もれた軽乗用車の中で発見されたのは2月7日。一酸化炭素中毒死だった。現場の福井県坂井市丸岡町上竹田に今年、雪はない。一周忌を迎え、母(56)は2月5日、福井新聞の取材に応じ「なぜあの日に限って…」と行き場のない思いを語り、「救助対応のまずさによる人災だったことを忘れないでほしい」と訴えた。

 ⇒2018年の福井豪雪を振り返る

 「一周忌ですね。今年はやはり雪が少なくて、悔しいです。なぜ去年だけ…」。男性が発見された国道364号の現場には、花と一緒に手紙が添えられている。母が命日の7日を前にしたためたものだ。

 母子家庭の長男として育った男性は、「自分のことは自分でこなす」(母)しっかり者。一家の大黒柱として期待されていた。高校卒業後の2017年春、富山県内の石材会社に就職。弁当を手作りして職場に通い、手先の器用さから、入社1年目にして墓石に文字を彫る重要な仕事を任された。

 あの日は、滋賀県内に住む5歳上の姉の住まいから自宅に帰る途中だった。運転免許証は夏に取ったばかりだったが、通勤で雪道を経験しており、出発前は雪が降らない日が続いていた。日本自動車連盟(JAF)の会員カードも数日前に届き、準備は万端のはずだった。

 男性が滋賀を出たのは、福井市内が五六豪雪以来37年ぶりに積雪130センチを超える大雪に見舞われた6日。北陸自動車道が通行止めとなり、国道8号では1500台が立ち往生するニュースが流れた。心配になった母は息子の携帯電話を鳴らしたが、「国道を避けて走っているから大丈夫」との返事。帰りを待つしかなかった。

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