全焼した住宅の後片付けを手伝う福井工業大学の学生ら=2月6日、福井県福井市

 1月に火災に見舞われ全焼した福井県福井市内の住宅で、福井工業大学カヌー部の部員たちが家財道具の運び出しやがれきの撤去にボランティアで取り組んでいる。同部の練習場所やクラブ寮と近く、愛犬の散歩で毎日通りかかり、ねぎらいの言葉をかけてくれていた家主の男性(85)とは顔見知り。洗濯機や屋外用照明機材を譲ってもらったこともあり、部員たちは「少しでも恩返しできたら」と汗を流している。

 1月25日の深夜、鳴り響くサイレン音が気になって寮を出た礒本えなみさん(4年)は、燃えているのが男性の住宅だと気付いた。本人の無事はすぐに確認できたが、犬の所在が分からなくなっていたため翌朝早くから懸命に捜索。散歩を見掛けるたびになでてかわいがっていたこともあり、自力で帰ってきたと聞いたときは涙があふれた。

 その後、見舞いにドッグフードなどを渡したが、男性の落ち込んだ様子に、礒本さんは「自分たちにできることをやらなければ」という思いを強くした。同様に男性と面識のあった栗本宣和監督(41)や後輩部員たちにも相談し、後片付けを手伝うことに決めた。2月3日は礒本さんら7人が住宅を訪れがれきを撤去した後、燃え残った家財道具を1日がかりで運び出した。

 朝練習を終えてから7人が駆け付けた6日は、エアコンの室外機や椅子などから金属を集める作業に取り組んだ。アルミや鉄、銅に分別することで業者に買い取ってもらえるといい、練習に使っている足羽川の河川敷で普段行っている清掃活動の知識を生かした。カヌーを運ぶためのトラックを活用し、分別したものを荷台に積んだ。

 部員たちは今後も生活再建を手伝いたいとしており、男性は「途方に暮れていたので本当にありがたい。元気をもらい、自分も頑張らないといけないという気持ちになった」と感謝。礒本さんは「自分が逆の立場だったら絶対に助けてくれる人がほしいと思った。(男性に)明るい表情がだんだん戻ってきてよかった」と話していた。

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