高架を走るえちぜん鉄道の車両と、踏切に遮断されることなく交差道路を通る車=1月30日

福井口踏切で遮断され、車が渋滞している通称松本通りの様子=2018年6月(福井県提供)

 福井県福井市中心部の鉄道の線路が県の福井駅付近連続立体交差事業で高架化され、交通処理の円滑化に効果を発揮している。事業区間の中で唯一残っていたえちぜん鉄道の福井口踏切が昨年6月になくなり、通称松本通りでラッシュ時に最長約320メートルあった渋滞が解消された。これで、3年ほど前にえち鉄の踏切が撤去されていた通称さくら通り、通称お泉水通りとつながる東口都心環状線と併せ、東西交通の風通しが良くなった。

 福井市中心部では、JR北陸線とえち鉄の線路を高架化し、高架と東西に交差する道路を造る県の福井駅付近連続立体交差事業と、JR福井駅の東西広場の整備や東口都心環状線などの道路を新設、拡幅する市の福井駅周辺土地区画整理事業がセットで進められてきた。

 JR北陸線の高架は2005年4月に完成した。これで事業区間のJR北陸線の踏切はなくなったものの、JR福井駅北側のえち鉄の踏切は残った。15年9月、えち鉄の高架工事期間中の暫定措置として、北陸新幹線福井駅部の高架にえち鉄の線路がつなげられ、福井駅部の下にあった通称さくら通りの仮日之出踏切と東口都心環状線の宝永踏切がなくなった。福井駅部北側の福井口踏切だけ残っていたが、昨年6月のえち鉄高架完成で撤去された。

 県の調査によると、福井口踏切がなくなる前は、遮断時間が1時間当たり最大約20分あった。1日当たりの遮断回数は162回あり、遮断時間は約3時間半に及んだ。えち鉄高架化で踏切の遮断がなくなり、福井口踏切を起点にハーツ志比口店付近まで最長約320メートル、その反対側で約230メートルあった渋滞は解消された。これにより、渋滞がみられた区間の車の走行速度は11・5キロから30・7キロと約2・7倍になった。

 福井口踏切より先に踏切がなくなった主要道路でも交通処理が円滑化した。3年ほど前の県の調査によると、仮日之出踏切から日之出小付近まで最長約450メートル、宝永踏切から県国際交流会館付近まで最長約220メートルあった渋滞が解消された。

 福井市中心部の東西交通の風通しが改善されたことで、警察や消防の緊急出動時の時間が短くなり、路線バスの定時性が向上した。JR、えち鉄にとっても、高架走行で踏切事故がなくなり、安定運行と乗客の安全確保につながっている。

 県の福井駅付近連続立体交差事業は本年度にほぼ終了し、来年度中には1991年度から取り組んできた全てのプロジェクトが完了する予定。県都市計画課の課長は「一部残っている交差道路の整備を1日でも早く完成させたい」と話している。

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