雪の斜面を目がけて放り投げられる厄年の男性=2月3日、福井県鯖江市尾花町の禅定神社

 厄年の男性を雪山の斜面に放り投げて厄払いする福井県鯖江市尾花町の奇祭「殿上まいり」が2月3日、同町の禅定神社であった。区民ら約70人が参加し、殿上山(標高670メートル)の山頂付近にある神社まで数時間かけて歩いて登った。15人の男性を次々と豪快に投げ、今年一年の無病息災を祈った。

 約400年前から続くとされる伝統行事で、毎年2月の第1日曜に行われる。市の無形民俗文化財に指定されている。

 当番の約10人がしめ縄やもちを用意し、先発隊として午前8時20分ごろ、ふもとを出発した。今年は雪が少なかったため、林道を歩いて山頂を目指した。例年は雪深い尾根を、かんじきで踏みつけて登るという。途中2カ所で、ご神木のしめ縄を新しいものに取り換え、同11時ごろ神社に到着した。

 続いて区民らも三々五々、神社に集まった。子どもからお年寄りまで、境内でたき火を囲み、お神酒を回したり、各自が用意してきたおかずを分け合ったりして、談笑しながら味わった。

 場が温まった頃、放り投げが始まった。今年の対象は前厄、本厄、後厄の男性と区長ら計15人。男たちがターゲットを捕まえ「ワッショイ、ワッショイ」と2度胴上げした後、3度目の「ワッショイ」で境内横の斜面に向け思い切り投げた。10メートルほど滑り落ちる人もいた。

 最後にもちまきで締めくくった。本厄の男性(40)は「子どもの頃から慣れ親しんだ行事で、ここで投げてもらわないと厄払いにならない。ありがたいです」と笑顔で話した。

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