再開発ビルが建設される「ハニー食市場北の庄」跡地一帯=2月1日、福井県福井市中央1丁目

 福井県福井市のハピリン西側で近く建設が始まる再開発ビルで、旧ビルの1階にあった食品スーパー「ハニー食市場北の庄」の再オープンが見送られたことが、関係者への取材で分かった。同スーパーの運営会社が主導し、周辺の老朽化した建物を一括して建て替える再開発で、同じビルに入るマンション業者から購入する床の価格に見合う店舗営業ができないと判断した。スーパーの再開を待ち望んでいた利用者からは「残念」との声が上がっている。

 事業エリアは、福井市中央1丁目の広場「ガレリアポケット」より北側の約1900平方メートル。市都市整備室によると、3月にも着工し、2020年秋に完成する予定。

 ハニー食市場北の庄を運営していた「フルキャスト」(本社福井市)の大嶋良雄社長が、再開発の実施主体となる会社「元町開発」を立ち上げ、一帯の地権者から土地などを購入。建物を解体した上で、全国展開しているマンション業者に土地をいったん売却する形で進めてきた。

 再開発ビルは4棟形式。うち1棟の14階建てビルではフルキャストが1、2階でスーパーを再オープンする予定だったが、マンション業者から購入する床の価格が想定より高くなり、スーパーを再開しても利益を得られないと苦渋の決断を下した。

 3階より上には分譲マンションが入る予定で、1階に設けられるエントランスにより、店舗に充てられる床面積が見込みの半分の約150坪にとどまることも、再開を断念した要因という。別の事業者に賃貸するにしても、床面積に対して賃料が見合わず、借り手が見つからないことが予想され、昨年7月に1、2階の床を購入しないとマンション業者に伝えた。

 周辺のスーパーとしては西武福井店、JR福井駅構内のプリズム福井にあるが、これまで通りスーパーを地域に残すのが元町開発の当初の目標だった。スーパーの再オープンがないことを知った近くの女性(77)は「品物が安く買いやすかったので残念」。駅西口エリアで働く女性(70)は「仕事帰りによく利用していたのに…」とがっかりしていた。

 大嶋社長らは昨年5月、再オープンまでの代替店として、中央大通りと福井駅前電車通りに挟まれた「三角地帯」で小型食料品店「食市場北の庄」をオープンしたが、10月に閉店した。

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