「アミーガス」のライブで笑顔がはじける吉田美優さん=1月12日、福井県坂井市のアミ

 福井県坂井市のショッピングセンター「アミ」で元気いっぱい歌って踊り、買い物客らにとびきりの笑顔を振りまく。「通信制に進んだからこそ今の私がある」と、啓新高校通信制3年の吉田美優さん(19)。ご当地アイドルグループ「アミーガス」のリーダー「みゆう」は、全国放送のテレビドラマにも出演した。

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 小学6年で不登校になった。「教室が苦手で学校を受け付けなくなり、朝に起きられなくなった」。起立性調節障害と診断された。家から出られず、つらくて泣いていた時、AKB48のミュージックビデオを見て「キラキラしていて元気をもらった」。

 中学校も入学後1週間で行けなくなったが、あこがれのアイドルの握手会だけは外出できた。

 アミーガスのステージも見に行き、「めっちゃ頑張っていて応援したくなった」。毎週のように声援を送るうち、顔なじみになったメンバーからグループに勧誘された。定期的に訪ねてくれていたスクールカウンセラーに、毎日通わなくてもいい啓新高校通信制を勧められていた。中3の春、「通信制に進んでアイドル活動をする。ほかの人と違う道に人生を懸ける」と決断した。

 啓新高校通信制は、県庁近くのビルにある「大手学習センター」が学びや。午前9時から4こまの授業に週1回出席し、学んだ内容を確認するプリントを自宅で解いて提出する。大学進学を目指す生徒向けには午後を中心に国数英の入試対策講座があり、自分に合った勉強をしようと全日制ではなく同校通信制を選ぶ生徒もいる。専門学校や就職志望の生徒には面接や作文を指導し、「一人一人に合わせたきめ細かい支援をしている」(道上賢一教頭)。

 吉田さんは入学後、学校に行きたいと思えるようになった。「同じ悩みを抱えるクラスメートが多いから落ち着いて教室にいられる。先生は興味を引く授業をしてくれる」。学校がない日はアミーガスの振り付けや歌の練習のほか、全国放送のテレビドラマ、CMやポスターの撮影が入ることもあり、「平日に活動できるからこそチャンスをもらえた」と話す。

 これまでのアイドル活動で不登校だったことを発信する機会はなかったが、悩んでいる同世代に伝えたいことはあった。「一人一人に自分の生き方があり、全日制が良くて通信制はだめなんてことはない。自分を見捨てないでほしい」

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