インクルーシブ教育の課題について協議した福井県福井市総合教育会議=1月30日、同市順化小

 福井県福井市は1月30日、同市順化小で総合教育会議を開き、障害のある児童生徒が年々増え、専門教員や介助員が不足していることが報告された。障害のある子とない子がともに学ぶインクルーシブ教育の実現に向け、対策や課題を協議。東村新一市長はこの日の意見を踏まえて目標を定め、段階的に対応していく方針を示した。

 東村市長と吉川雄二教育長、教育委員4人の計6人が出席。障害のある子が増えていることを受け、教育委員がインクルーシブ教育についての協議を提案し会議を開くことになった。事務局の市総務部と市教委は、通常の学校で学ばせたいという保護者の要望が高まるなど、特別支援学級に通ったり、通常学級に在籍しながら一部授業を別室で行う通級指導を受けたりする児童生徒が全国的に増えていることを説明した。

 市内の特別支援学級の児童生徒数は2018年度385人で、07年の170人に比べ2倍超。通級指導を受ける子は約4倍の167人に増えた。発達障害、もしくはその可能性がある子どもは特に小学校で増えている。

 市は就学相談会の実施、指導支援を行ういきいきサポーターや介助員を配置しているが、不足傾向にある。教育委員からは「募集している情報を社協など地域へもっと強くアピールして」という意見があった。「障害児が学級にいるため優しく授業を進めてほしい人がいる一方で、元気に指導してほしい人がいる」と配慮の難しさを指摘する委員もいた。

 吉川教育長は、支援が必要な子について校内で先生同士が情報共有し、場合によってはチームで個別対応が必要と話した。「負担が増えるかもしれないが、教員が頑張ることがソフト面での配慮につながる部分もある」とした。市教委は「障害のある子が教室内にいることで、周囲の子の大きな成長にもなっている」とインクルーシブ教育の効果も説明した。

 東村市長は「少しずつ目標を定め段階的に対応できるようにしたい。インクルーシブ教育の理念に近づけるよう目指し、福井の教育をさらに一歩前進させられれば」と会議を締めくくった。

 事務局は会議での意見や指摘を整理。早ければ年度内にも医療、福祉、教育関係者でつくる専門委員会に目標設定などを議題として提案し、新たな体制づくりを検討する。

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