殺人罪などに問われた室坂一美被告の裁判員裁判の初公判が開かれた福井地裁の法廷=1月30日(代表撮影)

 2017年11月、福井県勝山市の無職女性=当時(84)=が自宅で頭を殴られ殺害された事件で、女性に対する殺人罪と事件当時不在だった長女を殺害しようと凶器を準備した殺人予備罪などに問われた、長女の元夫で住所不定、無職室坂一美被告(63)の裁判員裁判初公判が1月30日、福井地方裁判所(渡邉史朗裁判長)であった。室坂被告は殺害を認めた上で、殺意を持った時期は「金づちで殴る直前だった」と述べ、起訴内容について一部争う姿勢を示した。

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 起訴状によると、長女と女性を殺害する目的で金づちを所持し、17年11月15日午後6時ごろ、女性宅に侵入。室内にいた女性の頭を金づちで複数回殴打し、殺害したとされる。

 女性への殺意を持った時期について検察側は冒頭陳述で、長女を殺そうと女性宅へ向かう途中と指摘。弁護側の冒頭陳述では、家にいた女性の後ろ姿を見た直後に衝動的に殺意が生じたとした。

 検察側は、被告は恨みの気持ちから犯行に及んだと指摘。長女と09年に離婚する際、女性が離婚を後押しする発言をし、長女には財産分与を断られたことが恨みの理由だったとした。

 弁護側は、母親に対する父親のDVを被告が幼少期に見せつけられたことによる心理的虐待や、学校や職場で持った劣等感から人格的な障害を起こし、殺害の実行に多大な影響を与えたと述べた。

 長女への証人尋問もあり、長女は厳罰を求めた。

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