アルミ缶を換金して購入した車いすの寄贈を20年にわたり続けている沓見小学校の児童ら=1月24日、福井県敦賀市の同校

 家庭で出たアルミ缶を児童が回収、換金して車いすを購入し福祉施設などに贈る福井県敦賀市沓見小学校の活動が本年度、20周年を迎えた。福祉教育や地域貢献の一環で始まり、本年度は約6万本、1810キロを集めて過去最多の6台を購入、1月24日に敦賀市社会福祉協議会と市内の特別養護老人ホームに寄贈した。児童が代々受け継いできた善意の積み重ねにより、これまでに贈った車いすは70台になった。

 伝統のアルミ缶回収は1998年にスタート。車いすの体験学習をきっかけに児童の福祉への関心が高まり、99年から毎年寄贈を続けている。今回を含め、これまで市社協に63台、授業で交流のある特別養護老人ホーム「渓山荘」に5台、地元の公会堂に1台、同校に1台を贈っている。

 児童自らが回収する日が年4回あり、児童はいったん下校した後に再び集合。通学路沿いの家の玄関先に出されたごみ袋を歩いて集め、集落ごとに決めた回収場所まで運んでいる。教員が学校まで運んだ後、業者が回収する仕組みだ。

 アルミ缶は1キロ75円で換金でき、1台購入するには約1万2500個が必要になる。回収前には児童が手作りのチラシを配り地域住民に協力を呼び掛けるほか、取り組みが地域に根付いた今では、学校に持参してくれる住民もいるという。

 この日は、寄贈式が同校で行われ、全校児童約100人が参加。児童会にあたる運営委員会の児童9人が市社協の大野冨夫会長(82)と、渓山荘の櫻井泰行施設長(40)に3台ずつ引き渡した。

 大野会長は「これまで頂いた車いすは、足の不自由な方々が感謝しながら使っている」と伝え、実際の利用者から寄せられたお礼のメッセージも紹介。骨折後の家族旅行時に社協から借り受けた87歳の女性で「皆さんのおかげで楽しい旅行になった。感謝の気持ちでいっぱいです」との児童への思いが読み上げられた。

 運営委員長の男子児童(6年)は「みんなを笑顔にしたいという気持ちで回収している。車いすを少しでも役立ててもらえたらうれしい」と話していた。

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