間仕切り家具を設置した居室=福井県鯖江市旭町4丁目の「かがやき」

 要介護者に医療と生活の場を一体的に提供する施設「介護医療院」が、福井県鯖江市に県内で初めて開設された。長期療養の「住まい」としての場を重視し、超高齢社会における医療と介護のニーズに応える施設として期待される。

 介護保険施設には▽特別養護老人ホーム▽介護老人保健施設▽介護療養型医療施設▽介護医療院―の四つがある。介護医療院は、廃止が決まっている介護療養型医療施設に代わる施設として、国が昨年4月に新設した。医師や看護師が常勤し、医療と介護のサービスを長期的に提供するのが特徴。たんの吸引や、鼻から管を通して栄養を流し入れる「経管栄養」などの医療的ケアのほか、みとりにも対応する。

 医療法人寿人会が運営する鯖江市旭町4丁目の「かがやき」は昨年9月、介護老人保健施設から介護医療院に転換した。介護医療院は生活の場としての機能を重視するため、▽ベッド間を家具で仕切る▽1人当たりの床面積は8平方メートル以上とする▽空調設備を増設-などの対応を取った。ベッド数は126床から80床に減らした。

 現在は地元の高齢者ら80人が入居。入居者は生活の中でリハビリを行いながら、習字やカラオケなどのクラブ活動を楽しんでいる。かがやきは「地域に開かれた存在」を目指しており、外部のボランティア団体を定期的に招いてフラダンスや琴などで交流もしている。

 高齢化が進み独居老人が増えた現状に「住み慣れた地域で安心して過ごせる施設でありたい」とかがやきの伊與曉洋院長。「入院するほどではないが老人ホームでは不安といった利用者の家族の声にも応えることができたら」と話している。

 厚生労働省によると、介護医療院は昨年9月末時点で全国に63施設が開設された。

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