「DCデジタル脳波計」による脳波計測を実演する病院スタッフ=福井県福井市の福井総合病院

 脳の一部に異常が生じるパーキンソン病や認知症の一種である前頭側頭葉変性症患者らの脳波データを集め、脳変性疾患のメカニズム解明や効果的なリハビリにつなげる先駆的な研究に、福井総合病院(福井県福井市)が乗り出している。

 同病院は併設の福井医療大学リハビリテーション学科言語聴覚学専攻の研究室と共同で、言語や抽象的思考、計画立案などをつかさどる高次脳機能の解明に力を入れている。研究をより進めるために公益財団法人JKA(競輪)の補助を受け、頭皮の52カ所から脳波を計測できる「DCデジタル脳波計」を昨年9月に導入した。

 脳波は脳の神経細胞の活動によって生じ、頭皮上に複数の電極を付けることで計測できる。今回導入したDCデジタル脳波計は従来のものよりもコンパクトでチャンネル数が多く、幅広い周波数帯域に対応している。これにより脳の反応部位の特定が容易になり、分析能力が高まった。

 研究ではパーキンソン病と前頭側頭葉変性症の患者10人、健常者10人の計20人のデータを集める。計測時間は20~30分。頭に電極キャップを装着した協力者が、パソコン画面に映される課題に取り組む際の脳波を調べる。

 脳波をキャッチして人間の気持ちや意思を反映、認識するシステム「ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)」への活用も視野に入れる。同病院リハビリテーション科の小林康孝部長は「特徴的な波形を見つけて分析することで、認知機能の向上や適切なリハビリプログラムの設定に貢献できるように努めたい」と話す。

 パーキンソン病と前頭側頭葉変性症を2年間研究した後、脳卒中による失語症などの言語障害や運動障害、外傷性脳損傷による高次脳機能障害、発達障害者の脳波研究を進めていく。

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