よりすぐりのズワイガニだけが認定される「極」。GI登録を機に審査は厳しくなっている=福井県越前町梅浦の蟹かに亭

 越前がにの最高級ランク「極(きわみ)」の認定審査が一段と厳しくなっている。昨年9月に国の「地理的表示(GI)保護制度」の対象に登録されたこともあり、品質やブランド力を守ろうと市場関係者の意識が高まっているからだ。審査の厳格化に伴い認定数は減り価格は高止まりしているが、提供する飲食店によると「常連客を中心に需要はある」という。

 「極」は重さ1・3キロ以上、甲羅幅14・5センチ以上、爪幅3センチ以上の基準をクリアし、傷などもない最高級品で、2015年度に認定制度が始まった。1年目の漁獲数は福井県全体で406匹だったが、品質を保つため年々審査が厳しくなり、16年度は254匹、17年度191匹と認定数は減少している。18年度は、12月末時点でズワイ全体の漁獲量は17年度より増えているが、「極」は53匹で35匹少ない。

 今シーズン53匹中35匹を水揚げした越前町漁協によると、認定審査は、まず漁協担当職員が重さや傷、容姿などを確認し、高品質なものに「極」タグを付ける。仲買人もチェックし、納得する品質であれば「極」として競りにかけられる。

 認定制度がスタートした当初は、漁協は規定通り重さ1・3キロ以上のものを認めていた。しかしそれでは数が多すぎたため、1年目の途中から、ゆでて水分が抜けても1・3キロ以上になる1・5キロ以上のカニにタグを付けるようになった。

 18年度はGIに登録されたこともあり、漁協職員や仲買人の見る目は一層厳しくなっている。同漁協によると、爪先の欠損や殻の凹凸まで細かくチェックしている。仲買人からも「柔らかい(身の詰まりが悪い)のではないか」などと指摘され、除外されることもあるという。

 認定数が年々減り、価格は右肩上がりだ。1匹当たりの平均競り値は15年度に比べ、16年度は1・6倍、17年度は3倍ほどに高騰。18年度も同水準で推移している。

 それでも、県外の常連客らの需要はあるようだ。越前町梅浦の飲食店「蟹かに亭」は「時価」で「極」を提供している。店長は「高額な極1匹より、大きいカニを2匹欲しいというお客も出てきた」という一方で、「極じゃないといけないという人もいて、需要はある」と話している。

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 ■地理的表示(GI)保護制度

 地域の伝統的な生産方法や風土で培われ、高い品質や評価を得ている農林水産物や食品を知的財産として登録し、保護する制度。2015年度から始まり、福井県内では18年9月に登録された越前がにで6産品となった。ブランドとしての差別化を図ることができるほか、不正使用は行政が取り締まるため模倣品の排除が期待される。

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