『シュタイナーの 宇宙進化論』(西川隆範著)によれば、地球期はその時代を遡っていくと、アトランティス時代、レムリア時代、ヒュペルボレアス時代、ポラール時代と遡っていくことができるという。地球が形成され始めたとき地球は今日よりもはるかに巨大なエーテル球として存在していたという。そして「ヒュペルボレアス時代」の前半までは、地球はそのなかに太陽、月、諸惑星を含んでいたという。そして、地球から太陽が分離していき、それまでは「死」は存在していなかった「死」を体験するようになったというのです。

 レムリア期に月が地球から分離していったことにより、それまでの両性具有の時代から男女両性の分離が始まったというのです。太陽や月が地球と一体となっていた「ヒュペルボレアス時代」の前半までは、人間の魂にとっては楽園のような幸福な時代だったと書かれていています。そして、それは旧約聖書の創世記の人間の地上への下降(楽園からの追放といわれている)までにあたるというのです。この時代からやがて困難な時代を経て人間が地上に生きていく姿が、さまざまな民族の神話に語られているという。そして、日本の神話の‘神代の時代’「天之御中主神」の時代はこの時代にもあたるのだというのです。

 「少彦名命常」の故郷は「常世の国」。龍宮城も「常世の国」。丹後の網野の浦島伝説では、浦島太郎が龍宮城から持ち帰ったのは「不老不死の薬」だという。または玉手箱には「寿命(とし)」(死なない命)が入っていた?と西川照子さんの文。それではひょっともすると「常世の国」とは旧約聖書の創世記のアダムやエバが楽園から追放される前の「エデンの園」?

 そして、自然栽培塾でご一緒させていただいている敦賀の方にご紹介いただいた『ホツマ物語―神とオロチ―』(鳥居礼 著 新泉社)(鳥居礼氏によって、わかりにくいホツマツタエをより理解しやすいようにという要望に応えて物語形式に書かれたという)を参考までにご紹介させていただくと。

―ウツキネの子をみごもるトヨタマヒメは、大鰐船で急いで帰るウツキネに「これから「北の津(福井県敦賀市)」に向かうと、往く頃は臨月になっているわ。松原(福井県気比の松原)に産屋を作って待っていて」とトヨタマヒメは、ウツキネにあらかじめ頼んでおいた。……やがてウツキネは、トヨタマヒメとの思い出に満ちた生涯を終えた。四十八日の喪祭りを終え、伊奢沙別宮殿(福井県気比神宮)に亡骸を収め、ケイノ神として祭った。ケイ―笥飯―とは箱に入った弁当のこと。むかし、シオヅチの翁に笥飯をもらい、鴨船でトヨタマヒメのところにたどり着き、運を開いたことに由来する。―

 と、敦賀の地名がはっきりと書かれているのです。敦賀にはいくつかの産小屋(産所)が残されていて、私も10年も前にもなるでしょうか、海辺の近くに残されていた産小屋(産所)を実際に行って見てきているのです。今も残されているのかはわからないのですが。

 次回では、改めて金井朋子さんの『民話、叡智の宇宙』(今日の話題社)の―通りゃんせのわらべ歌に秘められた叡智―から子どもの成長と天神様について学ばせていただきたいと思います。

参考文献。
『昔話と伝奇伝承 カタリの世界』(西川照子 平凡社)
『シュタイナーの 宇宙進化論』(西川隆範著 イザラ書房)
『ルドルフ・シュタイナー 創世記の秘密』(西川隆範訳 イザラ書房)
『ホツマ物語』(鳥居 礼  新泉社)
『シュタイナー 霊的宇宙論』(高橋巌訳 春秋社)

関連記事