【越山若水】朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足になるものな~んだ? 答えは人間。というのは人生を1日になぞらえたなぞなぞとしてよく知られる▼赤ん坊期を朝と見なせば、四肢でハイハイするので4本足。その後は2本足で歩き、老年になれば杖(つえ)を加えて3本足。少々無理があるがなぞなぞだからよしとする▼「足はありますか」。訪問先でそう尋ねられたら、数の質問ではない。たまに「この2本足で」と言う人もいるが、移動手段を聞かれているのを知っての返事だからちょっと面白い▼こんな牧歌的なことを書く3本足にとっては、これはとてもしんどい話題。米航空機大手ボーイングが「空飛ぶタクシー」の試験飛行に成功したという。それも自動操縦だそう▼なんでもヘリコプターとドローン(小型無人機)と翼のある飛行機を合体させたような形をしていて長さは9メートルほど、幅が8・5メートル。電池とモーターでプロペラを回して飛んだ▼成功したといっても、垂直に離陸してホバリング(空中停止)しただけ。飛行機みたいに水平に飛ぶのは今後の話だがこの分野は競争が激しく実用化も遠くないようだ▼大空は渋滞知らず。その利点に加え、経費も地上のタクシー並みにできる。なぜなら操縦士が要らないから―というのだが凡人はそれが何より怖い。巨大な旅客機が飛ぶのを、いまだに不安げに見上げる身には。

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