古糊の仕込みに精を出す向さん親子=1月22日、福井県福井市中央2丁目の向陽堂

 掛け軸やびょうぶなどの表装、修理に使う古糊(ふるのり)の仕込み「糊炊き」が1月22日、福井県福井市中央2丁目の表具店「向陽堂」で行われた。大寒の頃に合わせ100年以上前から続く作業で、作務衣(さむえ)を着た表具師の親子2人が熟練の技で糊を作り上げた。

 古糊は化学糊に比べシミが出にくい上、剥がしやすく修復しやすいのが特長。環境が良ければ250年ほど効果が続くという。県内で唯一古糊を作っている同店では、冷え込みが厳しい大寒の2日後に「糊炊き」を行う。

 この日は、2代目店主の向久秀さん(82)と3代目の章秀さん(49)が朝8時ごろから作業を始めた。小麦のでんぷんと精製水を混ぜて釜で熱し、焦げないように底から丁寧にかき混ぜる。10分ほどで粘りが強くなり、章秀さんは息を切らしながら作業を続けた。出来上がった約40リットルの糊は、10年以上冷暗所で保管し熟成させる。

 章秀さんは「仕事始めの作業なので気合が入る。今年もいい糊ができるかな」と話していた。

関連記事