(C)2019「デイアンドナイト」製作委員会

 若手監督の藤井道人が、「善と悪」をテーマに作った作品です。俳優の阿部進之介が立ち上げた企画を、阿部と同じ事務所の同期で親友の山田孝之がプロデュース。

 大手企業の不正を内部告発した父が自殺した主人公の明石(阿部)は、絶望の淵で北村という男と出会います。北村は、昼間は児童養護施設のオーナーとして孤児たちを養い、「子供のためなら手を汚す」という倫理観を持った人間。彼と過ごすうちに明石の中の善悪の境界線が崩れていく姿を描きます。北村役の安藤政信や、児童養護施設で暮らす少女を演じる清原果耶など役者たちの熱演が素晴らしく、藤井監督が作り上げる独特な世界にいつの間にかグイグイと引き込まれていきます。何が正義で、何が悪か。映画が終わった後も、自分の中の善と悪に思いを巡らせてしまいました。

 原案から関わった阿部の演技は秀逸で、細やかな表情で主人公の心の機微を繊細に表現しています。実は阿部の存在を知ったのは映画『栞』がきっかけだったのですが、無骨な男の色気をまとった彼をスクリーンで見ると、親友のためにひと肌脱いだ山田孝之の思いがよく分かりました。素敵な役者の存在を知ることができて良かったです。★★★★☆(森田真帆)

監督:藤井道人

出演:阿部進之介、安藤政信、清原果耶

1月26日から全国公開

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