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 第74回ベネチア国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したフランスの映画。この作品が長編デビューというグザヴィエ・ルグランが脚本、監督を務めています。

 両親が離婚した11歳の少年ジュリアンは、隔週の週末ごとにお父さんと一緒に過ごしています。自分たちの息子の親権を巡って争う両親。一切父親に会おうとせず、連絡先も教えない母親。母から「絶対に教えないで!」と強く言われているジュリアンは、隔週で父親と過ごす時でも母のことを語ろうとはしません。映画の中での母親の主張と父親の主張は完全に食い違っているから、観ているとどっちが悪いかだんだん分からなくなってくるサスペンス的要素も。生々しい生活音だけの静寂の中、何かが壊れてしまう予兆のような緊迫感が観客にのしかかります。

 ドキドキするような嫌な感じは、映画の中でジュリアンが感じている緊張感そのものです。日本と違って、共同親権があるフランスではこのような争いがとても多くあるそうです。親のために犠牲になってしまう子供たちを、周りの大人はどうしたら救えるのか? という問題は日本も同じ。考えさせられることが沢山ありました。心の傷を必死に隠そうとするジュリアン役の男の子があまりにも演技が上手で、約90分の上映時間があっという間でした。★★★★☆(森田真帆)

監督:グザヴィエ・ルグラン

出演:レア・ドリュッケール、ドゥニ・メノーシェほか

1月25日から全国順次公開

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