福井鉄道が導入した新型除雪車。線路と道路の両方を走ることができる=福井県福井市主計中町の福鉄福井営業所

 雪で電車の運休が相次いだ昨冬の教訓を生かし福井鉄道は、鉄輪とタイヤを備え、線路と道路の両方を走ることができる「軌陸両用」の新型除雪車を導入した。主に福井県福井市中心部の路面軌道区間(田原町―新木田交差点付近)を担当する。道路とレールを行き来できるため、線路上に立ち往生の車があっても、それを避けて機敏に除雪できる。パワーも従来のタイプより20倍以上アップした。1月19日開始の大学入試センター試験の会場に向かう受験生の足を安定運行で確保するため、18日夜に配備した。

 新型除雪車は、線路に積もった雪をかき込んで上部から遠くに飛ばすロータリー車で全長7メートル、幅、高さともに2・45メートル。道路上は車として最高速度40キロで走行し、線路では車体の前後に取り付けられた鉄輪を油圧で降ろして走ることができる。購入費は約4200万円で国と県の補助を受けた。福鉄によると、このタイプの除雪車は富山ライトレール(富山市)やJR北海道などが導入しているだけで全国的にも珍しいという。

 路面軌道区間の除雪はこれまで、1923(大正12)年に製造され、後に除雪車に改造された電気機関車「デキ11」が担ってきた。小回りが利く一方でパワーが足りず、高さ35センチまでの雪しか押しのけることができなかった。大雪の昨冬は、路面軌道区間にたどりつく前に圧雪に乗り上げて脱線するなど、十分な対応ができなかった。

 この点、新型除雪車の出力はデキ11の23倍。1時間当たり850トンを除雪できる馬力を備えている。

 しかも線路と道路の両方を走ることができる。線路しか走行できない除雪車は、レール上に立ち往生した車があったり、分厚い圧雪があったりすると前に進めなかった。新型除雪車の場合、こうした障害物の撤去や除去を別の作業チームが当たっている間に、道路に迂回して線路に乗り入れることができるため、効率的な除雪が可能となった。

 澤崎幸夫鉄道部長は「機動力と強力なパワーを兼ね備えた新型除雪車の導入で、臨機応変に除雪できるようになった。雪の日も安定運行を確保していく」と話している。

 なお鉄道区間(新木田交差点付近―越前武生間)の除雪は、ロータリーの機能と、排雪板で雪をかき分けるラッセルの機能を併せ持つ「D101」が担当する。降雪状況に応じて、新型除雪車が作業に加わることもあるという。

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