洋上風力発電の適地として注目を集める福井県坂井市~あわら市沖

 福井県坂井市からあわら市にかけての沖合で、電力会社が入る共同企業体(JV)などによる三つの洋上風力発電の建設計画が持ち上がっていることが1月11日、両市などへの取材で分かった。両市はJVを構成する企業名は明らかにしていないが、県内企業が含まれているとみられる。30基の風車設置を目指す大規模なものもあり、3JV合計の設置計画数は69基になる。

 昨夏以降、各JVから市や計画地の周辺住民に打診があった。専門家によると、この海域は風況が良く、洋上風力発電の適地。洋上風力発電を推進する国の政策もあり、多くの企業が注目している。

 経済産業省資源エネルギー庁によると、建設には漁業関係者など地元の同意が不可欠。風況や地盤の調査後、3~4年の環境影響評価(アセスメント)を行う。海上保安庁など関係機関と調整を図った上で着工し、完成まで最短で7、8年かかる。

 30基の建設を目指すのは、電力会社などが参加しているとみられるJVで、坂井市三国町浜地沖約5~8キロのほぼ正方形のエリアに1基当たり6千キロワット級を配置する。海底に設置した構造物と海に浮かべた風車をケーブルで係留する「浮体式」を採用。風車エリアの1キロ以内は航行禁止になるという。坂井市によると、底引き網漁の漁区にかかる可能性がある。

 24基の建設構想を持つJVには、商社などが含まれるとみられる。坂井市~あわら市沖約3~5キロに8千キロワット級を1列に置く。

 15基の建設計画を立てているのは電力会社などでつくるJVで、この電力会社は30基の計画があるJVにも参画しているとみられる。坂井市~あわら市沖約2キロに1万キロワット級を1列に並べる。海底に土台を置いて風車を固定する「着床式」を採用する。

 三つの計画は、陸上に建設する運転監視施設や変電所のほか、洋上変電所などの建設が必要になる場合もある。

 また、既に表面化している三井不動産の具体的な計画も明らかになった。テクノポート福井沖約500メートルと、あわら市北潟沖約1キロにそれぞれ2千キロワット級の風車4基を建設する計画。当初、坂井市三国町浜地沖も候補地としたが、観光関係者の反対で断念した。同社は福井市沖でも建設を目指しているという。

 資源エネルギー庁によると、洋上風力発電では、千キロワット当たりの年間発電量は一般家庭500~700世帯分に相当する。

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