雲の上に浮かび上がった「天空の城」越前大野城。今季は出現回数が多い=1月11日午前10時25分ごろ、福井県大野市牛ケ原から撮影

 1月11日朝、福井県大野市街地は濃い霧に包まれ、近くの山の上からは市街地に立つ越前大野城が雲海に浮かんだように見える「天空の城」が楽しめた。太陽が霧を照らす中、大野城が威容を誇る幻想的な光景が広がった。天空の城出現は今季14回目となり、話題になって以降、この6シーズンで最多ペースとなっている。

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 秋から春にかけて出現する「天空の城」大野城は、市内の写真愛好家が2013年夏の美術展で写真を披露し一気に注目を集めた。最近では出現予想が会員制交流サイト(SNS)で広がることもあり、県内外、海外から200人余りが撮影スポットに足を運ぶ。

 ただ出現日は霧の状況などによって限られ、その数は1シーズンに10回ほど。市などがカウントした昨季までの出現日は、16年10月~17年3月の14回が最も多く、そのほかのシーズンも9~13回に過ぎない。

 この冬、大野市街地では雪が少なく、福井地方気象台は「晴れることで放射冷却による霧の発生も例年より多いのではないか」という。

 11日は午前7時半ごろから市街地に霧がかかり、9時半から11時にかけたびたび霧の上に城がお目見えした。

 4年ほど前から天空の城を追っている写真愛好家、加藤幸洋さん(51)=大野市=はこの日も同市牛ケ原から絶景を眺め「今シーズンは乱発状態」と驚いた様子。例年は夜中から朝にかけて霧が発生するが「今シーズンは遅い時間に霧が出始めたり、11時前まで天空の城が出たりと、いつもと違う」と首をひねった。

 天空の城を眺望できる日は、同じく全国で知られる竹田城跡(兵庫県)や備中松山城(岡山県)と比べても少なく、市の観光担当者は「見に来てくれた人にとっては出合える確率が上がるのは良いこと。ただ希少性も売りなので、ほどよく出てくれたら」と話していた。

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