【論説】福井県内の原発は今年、二つの大きな課題に直面する。運転が始まって40年を超える関西電力高浜原発1号機の再稼働問題と、高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)の原子炉内からの燃料取り出し作業である。

 40年超の原発は、高浜1号機のほか同2号機、美浜3号機で再稼働の準備が進む。原子力規制委員会が2016年6月、同11月に運転期間を延長することを認可、現在は安全対策の工事が行われている。高浜1号機は、工事が予定通り進めば秋から冬に再稼働が視野に入ってくる。美浜3号機は20年1月以降、高浜2号機は20年3月以降と続く。

 工事は、高浜原発では格納容器上部のコンクリート製ドームの新設や中央制御盤の取り換え、全長1300キロに及ぶケーブルの防火対策を行う。美浜では耐震性向上のため、使用済み燃料プールを改良。燃料を収納する構造物を直接床に固定せず、揺れに合わせることで振動を軽減させる「フリースタンディングラック」に取り換える。対策工事費は高浜が約2160億円、美浜は約1650億円と、巨費が投じられる。

 40年を超える原発の再稼働は、古い設備を取り換えることによる新たな不備、不具合が起こることへの不安が拭えない。関電には地元住民らに対し安全性を詳細に説明する責任がある。だが、技術面の説明は難解だ。そこで重要なのが、関電と地元住民との信頼関係である。

 関電は使用済み燃料の中間貯蔵施設を県外に立地する計画について、昨年中に候補地を示すと県に約束しながら果たさなかった。信頼は一つ一つの積み重ねで築かれる。社長自ら約束した期限が守られなかったつけは、信頼が第一に求められる40年超原発の再稼働問題に跳ね返ってくるのは避けられない。県も、中間貯蔵施設に何らかの前進がなければ高浜1号機の再稼働同意は難しいとの立場をにじませている。

 一方、もんじゅは、1月中に炉外燃料貯蔵槽から水プールへの燃料100体の搬出が終わる予定。今年は原子炉内から燃料を取り出し、同貯蔵槽へと移していく。炉外での作業に比べ高い技術力が求められる。

 日本原子力研究開発機構は10年に、この取り出しを行っている。その際、炉内中継装置が落下する失態を犯した。今回は、慎重の上にも慎重を期してもらいたい。

 40年超の運転は、国内のほかの原発にも関わる問題だ。だが県民にとっては、まず中間貯蔵施設に関する約束の答えが先だろう。もんじゅの燃料取り出しも、廃炉に向けた大きなポイントになる。いずれも重要な課題だ。言うまでもなく、国の責任も問われている。

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