嗅覚の1次神経に2次神経がつながる仕組み

 においの情報を脳に伝える神経がつながる仕組みを、福井大学医学部の西住裕文准教授(52)らの研究チームがマウスの実験で突き止めた。鼻の奥にある1次神経はにおいの種類に応じて脳の特定の位置に突起を伸ばす一方、脳にある2次神経はにおいの種類に関係なく距離的に近い位置に突起を伸ばしてつながることを初めて解明した。

 研究チームは医学科高次脳機能領域の西住准教授と坂野仁特命教授、井上展子学術研究員と東京大の大学院生3人。8日付の英科学誌電子版に論文を発表した。

 においの情報は鼻の奥にある1次神経が受け取って前脳の2次神経に伝え、さらに脳の奥に伝わっていく。ハエなどの昆虫は遺伝子プログラムで神経の接続先があらかじめ決まっているが、マウスなどほ乳類の2次神経が1次神経とつながる仕組みは分かっていなかった。

 マウスの神経は状況に応じて柔軟につながることが分かり、西住准教授は「今後はより高次の脳領域で神経がつながる仕組みを調べ、記憶したり忘れたりする仕組みを解明したい」と話している。

 研究チームは、2次神経に蛍光タンパク質を作り出す遺伝子を組み込んだマウスを使い、マウスが成長する過程で神経を接続する様子をレーザー顕微鏡で立体的に観察した。

 1次神経は死滅と再生を繰り返す。交通事故の衝撃などで一度に大半の1次神経が入れ替わってしまうと、2次神経がこれまで突起を伸ばしていた位置が分からず従来と異なった接続をしてしまう場合がある。研究チームは、これがにおいを従来と違って感じるようになる異臭症発症の原因となっている可能性があるという。

関連記事