ふくいチャイルドラインの1日当たりの平均相談件数

 子どものための電話相談窓口「ふくいチャイルドライン」や福井県福井市の「ヤングテレホン」の子どもからの相談件数が減少している。窓口の運営団体は、会員制交流サイト(SNS)やアプリを使ったウェブ上でのやりとりが普及する中、直接的な通話を敬遠する子どもが増えているとみる。悩みを相談できないまま潜在化している可能性があり、メールでの相談受け付けなど、新たな体制づくりを模索している。

 チャイルドラインを実施する県子どもNPOセンターによると、2009年度の1日当たりの平均相談件数(県外からを含む)は68・9件。次第に減少し17年度は40・3件だった。市青少年課が実施するヤングテレホンは年間10~15件で推移していたが、17年度は4件と激減した。本年度は12月末現在で10件となっている。

 同課の担当者は「悩みを持つ子どもは、いつの時代も一定程度いる」とし、子どもの悩みがなくなったのではなく、電話相談をしなくなっていると推測する。同NPOは「声を介さないSNSや無料通信アプリが主な交流手段となっているため、会話して心の内を打ち明ける経験が少ないのでは」という。

 SNSやアプリで相談を受け付ける場合、顔文字や若者の間で使われる言葉など独特のコミュニケーション方法に精通していなければならず、「人材養成のハードルは高い」(市青少年課)。やりとりが何度も必要となり、電話に比べて時間が掛かることも懸念材料となる。

 全国のチャイルドラインを統括する都内の支援センターでは、チャット形式での窓口を開設した。一方で県子どもNPOセンターの担当者は「声には温度がある」と電話相談の利点を説明する。声質から心境を感じ取るなど声がいろんな情報を与えてくれるという。改めて電話相談を周知していきたい考えだ。電話での相談を受け付ける一般対象のボランティア養成講座も毎年度末に開催している。

 市はウェブ上での相談窓口の開設は現時点では困難と判断。しかし新たな体制づくりが必要として、学校に行きたくないという気持ちが働く週明けの月曜の電話相談時間を昨年7月から4時間延長し、午後9時までとした。さらに新年度にもメールでの相談窓口を設置する見通し。

 同課の課長は「相談する手段がなく、内に悩みを隠してしまっている子がいるかもしれない。できる限り声を拾っていけたら」と話している。

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