服部桂奈さんが演奏したボランティアコンサート=2018年12月28日、福井県福井市の福井県立病院

 病院ホールに広がる癒やしの旋律-。福井県立病院(福井市)が、1階エントランスホールで開いているボランティアコンサートを増やしている。吹き抜けのホールが「音響が良い」と出演者らに評判で、生演奏を聴ける場として患者らの人気も高まっている。クラシックや合唱、ジャズ、ギター弾き語りなど多彩なジャンルで楽しませている。

 ボランティアコンサートは、入院患者や家族、病院を訪れる人たち向けに1998年に始めた。演奏時間は30分~1時間。観客との距離が近く、反応が直に感じられ、演奏活動のモチベーションアップにつながるとして、近年は「出演させてほしい」と要望が上がるまでに。憩いのひとときをより多く届けようと、月2回ペースだった開催を本年度から月3~7回に増やした。

 本年度は藤島高校ジャグリング部、仁愛女子高校コーラス部、ピアニストの水城ゆうさんら約10組を迎え、4~12月に計29回開いた。「心待ちにしている常連さんが増えてきた。(出演者の)成果発表の場、度胸づけの機会としても機能している」と同病院医療サービス課の担当者。「天井が高く、教会での演奏のような良い音響がある」との感想も寄せられるという。

 昨年12月28日は、オーストリアのザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学で研さんを積むピアニスト、服部桂奈さん(福井市出身)が出演。ベートーベンの「ピアノソナタ第7番」やシューマンの「ダヴィッド同盟舞曲集」など4曲に約40人が耳を傾けた。

 通院する40代女性は「病院はなるべくなら行きたくない場所だけど、すてきな音楽を聴いて勇気づけられた」と話す。服部さんは「通常のコンサートは、観客が自分のことを知ってくれている場合が多い。ボランティアコンサートはたまたま来てくれた人が多く、そうした環境での演奏は自分にとっても貴重な経験」と手応えを感じていた。コンサートの日程や出演者は福井県立病院のホームページで確認できる。

 病院のホールでの演奏は、福井赤十字病院、福井県済生会病院も定期的に開催している。

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