福井県内百人一首ゆかりの地一覧

 百人一首の世界に“めぐり逢ひて”-。百人一首の札を取り合う競技かるたで、全国屈指の「王国」として名をはせる福井。福井県内には、百人一首の歌や歌人とゆかりの深い場所がある。紫式部や蝉丸は、数奇な運命を経て福井へと導かれた。悲恋の名歌を生んだ場とされる岩礁もある。競技かるたが題材の漫画では、福井が重要な役目を果たす。愛されてきた歌に想像を巡らせ、県内5カ所を訪ね歩いた。

▽「ちはやぶる神代も聞かず龍田川 から紅に水くくるとは」

■あわら市 「ちはやふる」漫画の“聖地”

 競技かるたが題材の末次由紀さんの漫画「ちはやふる」では、主要人物の新(あらた)が福井県あわら市在住という設定。“聖地”の同市は2014年から、巡礼ツアーやスタンプラリー、アニメ版の声優によるトークショーなどを手がけてきた。

 作中のキャラクターにちなんだ「スノーマルどら焼き」も登場。開発した菓子店「甘党本陣 嵯峨」(市姫2丁目)女将の嵯峨直美さん(51)は「九州や東北からもファンが買いに来てくれるようになった」と喜ぶ。

▽「これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関」

■蝉丸の墓(越前町) 埋葬指示、遺言の伝説

 作者は平安期の歌人で謎多き盲目の琵琶法師、蝉丸。現在の福井県越前町に立ち寄り、この地に埋めてくれと遺言を残した-という伝説がある。

 同町野に蝉丸の墓とされる3基の石塔がある。ただ蝉丸より後の室町時代のものと推測されるため「供養塔では」と、同町織田文化歴史館学芸員の村上雅紀さん(42)。同館学芸員の堀大介さん(45)は、同町発祥で織田信長らが愛した「幸若舞」の創始一族、桃井家の墓所跡が近くにあるため「彼らが蝉丸を芸能の神としてまつったのでは」と大胆な仮説を立てる。

 同町舟津には、蝉丸が舟を沈めたとされる池もある。

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