火の粉を巻き上げて初打ちに臨む越前打刃物の職人たち=1月1日未明、福井県越前市のタケフナイフビレッジ

 福井県越前市の伝統工芸、越前打刃物の初打ちが1月1日未明、同市余川町のタケフナイフビレッジ工房前で行われた。厳かな雰囲気の中、白装束に身を包んだ刃物職人3人が約700年前から伝わる鍛錬技法を再現し、新年の刃物業の発展を祈った。

 タケフナイフビレッジ協同組合が毎年元日に行い、25回目。鉄や鋼を熱する親方を伝統工芸士の加茂詞朗さん(60)、つちで打つ子方を樫原直也さん(22)と阿部泰宏さん(28)が務めた。

 年が明ける午前0時に合わせ、3人は同ビレッジの神棚に参拝。かがり火に照らされた屋外の特設会場で作業を始めた。

 加茂さんが「ふいご」で炉に風を送ると、闇夜に真っ赤な火の粉が舞い上がった。真剣な表情で「カン、カン」とつちの音を響かせる職人たちに、写真愛好家や住民らが熱心にカメラを向けていた。

 大役を務めた加茂さんは「打刃物業界の発展のため、頑張っている若手の職人たちがさらに成長する1年になってほしい」と話していた。

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