◆シュタイナーの霊的宇進化論に学ぶ

 今回も『シュタイナーの霊的宇宙論』(高橋巌訳 春秋社)を主として、参照、引用させていただきながら、宇宙進化論を学んでいきたいと思います。

 「近代霊学である「神智学」の課題は、物質的なものと霊的なもの、地上の世界と霊的ヒエラルキアとの間を結びつけることです。外的な感覚世界についての私たちの通念が何に由来するのかを知らない限り、知識の霊的な側面を認識することも不可能なのです。」

 と、その第一章  叡智の公開 ― 神智学(広い意味でシュタイナーの思想)の課題―にも当時の講義の参加者に対してシュタイナーの痛恨の思いがここでも述べられているのです。

<私たちの内で働く「悪」について>

 私たちの心で働く「悪」の働きはどのように生じてきたのでしょう。

 私たち人間は人間である限り誰もの心にある「悪」の働き。そうした「悪」の働きはどのように生じてきたでしょう。そして、そうした「悪」の働きにはどういう意味があるのでしょうか。

 シュタイナーは宇宙史の中で私たちの心の中で働く「悪」についても悪が生じた経過とともにその意味においても詳しく述べているのです。

 私たちの太陽系の始まりである土星紀は、トローネ(座天使・意志の霊)の供犠・熱の流出に始まるといわれています。土星紀に続く、太陽紀、月紀、そして地球紀。現在の私たちの地球紀の人間は「自由」と共に「愛」をも世界にもたらすという、偉大な使命を背負っているというのです。その人間をどう語るべきかといえば、大天使、天使の後に位置づけられる「自由の霊」であり、「愛の霊」であると語ることができるというのです。10番目の位階(ヒエラルキア)として位置づけられている私たち地球紀の人間はこれからも進化を遂げていかなければならないのですが、霊界のヒエラルキアに属することは確かなのだというのです。

 これまで私たちの宇宙は土星紀、太陽紀、月紀、地球紀と進化してきたといわれるのですが、その進化において、同じことが繰り返されていくのが大切なことなのではないというのです。

 時代が移り変わるごとに、新しい事情が宇宙進化に組み込まれること、絶えず新しさが付け加えられることが大切なのだというのです。そして、それが人間というヒエラルキア存在にとっての大切な使命だというのです。

 これまでの位階の霊たちの進化においても、すべての存在が順調に進化してきていたのではなく、進化に遅れた存在たちもいたというのです。そうした進化に遅れた存在として、月紀になってから自分から悪しき存在になる可能性を持った最初の存在は、「天使」だったというのです。この「天使たち」は、皆さんには聞き及びのある天使かと思うのですが、「堕天使」・「ルツィフェル的存在」と呼ばれ、地球紀に、人間のアストラル体に働きかけ、人間に誤謬や悪の可能性を生じさせたというのです。そしてそれは、人間が自分の力で自由に進化できるようにするためだったというのです。

 ヒエラルキアの最高位にあるセラフィ―ムでさえも、人間のように善、悪のいずれかを選ぶという自由はなく、根源の宇宙叡智の意志を実現すること以外何物ではなかったのだというのです。この意志は非常に強い力なので、ヒエラルキア存在たちは、熟慮することも判断することもなく、自分が宇宙意志、根源の宇宙叡智の執行者であることをよくわきまえているのだというのです。

 ヒエラレキア全体の中で、進化に遅れた「天使」の一部分と人間だけに、自由の可能性が与えられたという。「天使」の系列の中から自由の可能性が始まるのですが、人間の場合に初めて、自由が、生きることの本質と結びついたというのです。

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