書かれているように、シュタイナー用語ともいわれている難しい言葉もあまり使われず、内容も理解しやすいようによく噛み砕いて、誰もが理解しやすい内容となるように十分に配慮されて書かれていることが手に取るように伝わってきて一気に読ませていただきました。目次の主な内容の一部をご紹介します。

第1章    自分の身に置き換えてみれば、シュタイナーは理解しやすい 
・生きる意味を見つけるためにシュタイナーを学ぶ ・シュタイナーは何を目指していたか ・シュタイナーの伝えたかった生き方は、私たちの日常生活にある。

第2章    時を忘れるような体験の中に大事なものがある。
・無常の幸せを探す・時間にしばられずに生きてみませんか・出会いの背後に、何かが働いている ・赤ちゃんの持つ「まわりを信頼する力」

第3章    シュタイナーの言う「本当の自分」とは何か
・生活を変える必要はない。意識の向きを変えるだけでいい。・運命の向きを変えるトレーニング ・人間の弱さも大きな意味がある・一人の人間が実は人類の課題を果たしている

第4章    真の自由をつかむため 
・生きる目標は真の自由を獲得すること ・相対的な「自由」と絶対的な「自由」の違い ・人間はなぜこの世界に存在するのか

第5章    感情の豊かさ・こまやかさをたいせつにしよう
・感情の発達とシュタイナー教育 ・子どもは深い感情体験を望んでいる・アストラル体とは何か ・人間の感情と星々の世界 ・体外に出るアストラル体

第6章    生命力を養うには
・目に見えない力 ・生命力とストレス ・東洋の気/エーテル体の誕生 ・生命力をうまく養うには ・「本当の自分」の努力次第でエーテル体は変化する ・伝統芸能ではなぜ、猛稽古をさせるか ・達人の出す、美しいエーテル ・シュタイナー教育の真髄とは ・日常でできるエーテル体の訓練

第7章    真の「愛」とは
・愛の秘儀 ・自由と愛――コインの表裏 ・シュタイナーの愛の定義 ・愛とは極めること ・人は何かを託されている

 あとがきの言葉にもあるように、シュタイナーの深い内容の奥について十分に理解して、ご自身も内容を十分にマスターしていなければ、こう分かりやすくは書けないものだと思われる内容でありました。

 しかし、それでもシュタイナーです。真摯な思いで書かれているこうした本との出会いがきっかけとなって、混迷な今の時代に生きる何か導きのてがかりとなればと思われたのです。

 そして今、さらに、今日流行語のようになっている「断捨離」という事態に直面しているのです。物のあまりなかった昔は今の時代のようにすぐに始末するということはしなかったようです。少なくとも200年以上も前に建てられたというたくさんの思い出も詰まっている母の実家も例にもれず、母の尋常小学校時代の精勤賞が出てくるなど(当時にもそんな賞もあったのですね)、代々、物が始末されることなく、今日に至っているようです。

 いかなる導きなのか、御縁なのか、縁者が少なくなってきている今の時代、従兄の子の、子の世代という今ではもう遠い関係でありながら、その母の実家の家や屋敷の始末という大断捨離に、残された家族の人たちと一緒に私も関わらせていただくことになり、「断捨離」という事態に直面しているのです。

 あまりに広く、始末すべきもののあまりの多さや古さ(明治、江戸時代にさかのぼる書籍類)、その「断捨離」という事態に、ただただ出てくるため息や戸惑いの思いも混じって真正面から向き合う中で、その善き始末の在りようを、感ずる祖先の気配に祈りつつ、探る日々でもあるのです。

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