【越山若水】自衛隊は、定員に対する実人員がおよそ9割しかいない。一番下の階級に限ると7割だから、人手が足りないだけでなく年齢構成も高い方に偏っている。少子化と景気回復の影響である▼それで今年10月には採用年齢の上限を26歳から32歳へ変えた。定年年齢も引き上げられる。だがこれでは根本解決にならない。平均年齢がますます上がる▼このため新しい防衛大綱は人員対策が重要課題だった。打ち出されたのがロボットによる省人化・無人化。事務的分野の話ではなく作戦にかかわる部分に人工知能(AI)などの活用を探る▼今のところの柱は、1万5千メートル以上の高高度を飛ぶ無人機や水中ドローン(無人潜水機)。機械の目や耳がもっぱら偵察任務を行う▼ただ海外では殺傷力のある無人機を実戦投入済み。なのに装備無人化の国際ルールは未確立という。任務の「人からロボットへ」はどこまで進むのか。歯止めが必要な話である▼大綱が閣議決定された日にそんなことを考えていたら、癒やしロボットの予約が始まるニュースが流れてきた。飼い主の接し方から優しさを認識して懐く。体温も持つ▼なかなか高価だがネットの反応は上々。センサーで観察されていることに変わりないのに―とのやぼは言わない方がよいだろう。「実用には何の役にも立たない」がうたい文句。そんなAIがあっても悪くない。

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