地方の長男、責任と引き替えの優遇

 福井県を含む「地方の長男」をテーマにおしゃべりを楽しむ「第2回福井新聞オンライン×ゆるパブコラム・オフ会」(9月10日、福井県鯖江市)。高校生から60代までが盛り上がったトークは、家や土地を継ぐなど長男の役割から、その責任と引き替えに得られる長男の“お得感”にも及んだ。

 ⇒地方の長男が背負わされた“十字架”

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 長男は、弟や姉妹に比べ幼少期から優遇されていたとの声が上がり、多くの長男である参加者からもその自覚が感じられた。勝山市の20代男性(長男)は「子どもの頃は三つケーキがあったら、長男である自分に1番最初に好きなケーキを選ばせてくれた」。福井市の高校生も「親戚とかとご飯を食べに行ったとき、余ったデザートは長男にいつも回ってくる。1歳下の弟はデザートを少しもうらだけ」と打ち明けた。

 パートナーの女性の兄である長男について語った福井市の50代男性は「自分と同じくらいの年齢だが、土地も家も墓も守っている長男は家事免除。皿洗いなどは『女の仕事』だった」と語り、コーディネーターの若新雄純さんも「子どもの頃、お風呂に入る順番も長男である自分が先だった。弟や妹も一番風呂を自分に譲っていた」と説明。また、「親から買ってもらったおもちゃの量が弟の10倍はある」「部屋が長男だけ広い」など、生まれながらにしての“既得権益”で話は盛り上がった。

 これに目を丸くしたのは県外出身者。東京出身の20代男性は「ケーキの話で言えば、小さい子から選ばせましょう的な感じ」と話し、東京出身の別の男性も「弟がいるが、長男だからといって特別扱いは全くなかった」と言い切った。

 若新さんは、祖父母と同居だと長男が優遇される傾向が強いと指摘し、「都会では『お兄ちゃんだから』という言葉は年長者の責任として我慢を強いられる場面に使われるが、福井では、長男はこれから家を守っていくのだから、その分優遇されてもいいという傾向がある」と考察した。

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 福井県を含む「地方の長男」をテーマにおしゃべりを楽しむ「第2回福井新聞オンライン×ゆるパブコラム・オフ会」が9月、福井県鯖江市の市環境教育支援センター(エコネットさばえ)で開かれた。ネット公募で集まった約20人が参加。「当事者」である長男、長男の妻、弟・姉妹もおり、さまざまな立場から「長男」を考察。話し合いから、生まれながらにして先祖代々の家や土地、墓を継ぐという“十字架”を背負わされながらも、その分、他の子より親に優遇されるという長短ない交ぜの境遇が浮き彫りになった。オフ会で語られた内容を3回にわたって紹介する。

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