いわさきちひろ作品にちなみ赤い毛糸の帽子が置かれたテーブルで対談する松本猛さんと、春野さん=12月24日、福井県越前市福祉健康センター

 福井県越前市生まれの絵本作家いわさきちひろの長男と孫による記念対談「ちひろの子育て・猛の子育て・春野の子育て」が12月24日、越前市福祉健康センターで開かれた。2人とも親に否定されず、伸び伸び育てられた記憶から「子どもはいろんな可能性を秘めた存在」と、幼少期の親子の向き合い方のヒントを伝えた。

 ちひろの100回目の誕生日(12月15日)に合わせた市の記念事業の一つ。長男でちひろ美術館常任顧問の松本猛さん(67)と、猛さんの3女春野さん(34)=絵本作家・イラストレーター=が、猛さんの幼少期の写真やちひろの作品を元に子育て論を展開した。

 猛さんは「木登りをして危ないと言われたことがない。いつも好きなことをやらせて見守ってくれた」と母の思い出を紹介。3歳の長女を育てている春野さんは「手伝ってと言われるまで手を貸さない」と、子どもが自ら成長する過程が大事であり楽しみと語った。

 春野さんは「父には褒められた記憶しかない。ちひろも父を褒めて育て、ネガティブな言葉が交わされない家庭だったと思う」と話し、家族関係の大切さも強調した。

 2人のテーブル前には親子が自由に過ごせるスペースが設けられ、子連れの父母から子育てを終えた世代まで幅広い年齢の男女約90人が2人の対談に耳を傾けた。鯖江市から訪れた3歳から小学5年まで3人を子育て中という女性(40)は「日常が親と子の関係性や子どもの想像力を育んでいて、代々受け継がれているのがすごい。反省点がいろいろありました」と感心しきりだった。

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