原発事故時の避難道の位置付けで整備された「立石トンネル」の開通を祝う式典=12月22日、福井県敦賀市立石

 原発事故時の避難道路などとして、福井県が敦賀半島先端の日本原電敦賀原発近くで整備を進めてきた県道バイパスの「立石トンネル」(延長498メートル)が12月22日開通した。東京電力福島第1原発事故後、原発が立地する同県嶺南地域の各半島で整備する原子力災害制圧道路としては初の供用開始となる。

 完成したのは、県道竹波立石縄間線の敦賀市立石―明神町間で、トンネルと道路部分を含めた総延長は620メートル。トンネル内は車道2車線で幅約6メートル、片側に幅2メートルの歩道も設けた。県は2013年度から整備に着手し、事業費約20億円は原電の負担金で賄った。

 県道の現道区間(約1・6キロ)は急カーブで見通しが悪く、迂回路もなかったため、これまで自然災害による斜面崩落などで交通規制を余儀なくされ、付近住民の生活に支障が出ていた。ほぼ直線のバイパスの完成により、災害時に迅速な避難や事故制圧ができるほか、生活道路としても便利になる。

 開通式典は同日、「県道佐田竹波敦賀線・竹波立石縄間線道路整備促進期成同盟会」が主催して西浦小中学校で行われ、関係者約100人が出席。会長の渕上隆信市長は「開通により移動時間が大幅に短縮され、災害時の迅速な避難に寄与することが期待される」とあいさつした。

 この後、立石トンネル前に移動し渕上市長、西川一誠知事、山口治太郎美浜町長らがテープカット。バスや車で通り初めし、開通を祝った。

 敦賀半島で整備中の原子力災害制圧道路はこのほか、高速増殖原型炉もんじゅが立地する半島北側の同市白木―浦底間(約4・9キロ)が来年度の開通予定。美浜町佐田―竹波間(約5・1キロ)の県道バイパスは、佐田―菅浜間(2・1キロ)を来年3月に暫定供用し、全線開通は来年度。

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