記者会見の冒頭、職員の着服について謝罪する松田浩次理事長(右から2人目)ら=12月19日、福井県大野市の越前信用金庫本店

 越前信用金庫(本店福井県大野市)は12月19日、本店営業部ゆい出張所所長の男性(53)が約1755万円、同部大野地区渉外センター長代理の男性(38)が約72万円を着服していたと発表した。2職員はそれぞれ顧客の定期預金を無断で解約するなどし、所長は現金自動預払機(ATM)から現金を抜き取ってもいた。同信金では一昨年以降、職員の着服の発覚が相次ぎ、今年だけで計3件となった。

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 いずれも親族から全額弁済されている。2職員を今月3日付で総務部付とした。さらに月内に懲戒解雇することを決め、刑事告訴する方向で検討している。

 信金によると、所長は2014年、通帳と証書を預かっていた親族の定期預金を無断で解約し現金約81万9千円を着服したほか、昨年春以降、出張所のATMを鍵で開け、49回にわたって現金計673万円を抜き取っていた。

 さらにこれらの穴埋めなどのため、70代男性の普通預金から1千万円を着服した。一部を入金したり、出張所内の出納からATMに一時的に穴埋めしたりしていた。

 今年11月、男性が不信感を抱き別の職員に相談して発覚。使った金は約1千万円に上り、パチンコや競馬、宝くじなどに充てていた。「給与内で抑えることができなくなった」と話しているという。

 また、渉外センター長代理は今年9月、満期となった別の70代男性の定期積金を無断で解約し約72万円を得た。男性の家族から満期後、普通預金に入金するよう依頼されたが、約2カ月間にわたり処理を放置した。信金の調査中に本人と連絡が取れなくなっており動機は明らかではないが、クレジットカードの支払い明細に旅行やスマートフォンでのゲーム課金などが記録されていたという。

 本店で開いた会見で松田浩次理事長が「再発防止に向けた改善策を講じてきたにもかかわらず、再度の不祥事が発生した。社会的、公共的使命を担い信用を第一とする金融機関として、心からおわび申し上げる」と謝罪。理事長を減給30%(3カ月)とするなど役員らの処分も決めた。支店や出張所でATMの鍵を保管している機器の操作を2人で行う仕組みにするなど、再発防止策を取るという。

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