新ムゼウムの建設関連費を削除する予算修正案を賛成多数で可決した敦賀市議会本会議=12月18日、福井県敦賀市の市議会議場

 福井県敦賀市が2023年春の北陸新幹線敦賀開業に向け観光拠点の核として、同市金ケ崎周辺で移転拡充を目指す資料館「人道の港敦賀ムゼウム」の整備計画を巡り、敦賀市議会は12月18日の定例会最終日の本会議で、運営計画の検討が不十分などとして、本年度一般会計補正予算案から新ムゼウムの建設関連費を削除する修正案を賛成多数で可決した。

 一般的に市町議会が予算修正動議を行い可決するのは異例。敦賀市会では2017年6月定例会の市庁舎建て替え候補地選定を巡る関連経費の削除以来となる。

 渕上隆信市長は閉会後「北陸新幹線敦賀開業に向け(アピールする)『人道の港』の核となる施設と認識しているが、理解いただけなかったのは残念。運営費をどこまで見直しできるか検討し、臨時議会も含め、早急に再提案したい」と記者団に述べた。

 新ムゼウムは、明治後期から昭和初期に繁栄した敦賀港の象徴的な建物4棟を復元し、現在のムゼウム機能を移転拡充。第2次大戦中に外交官杉原千畝の「命のビザ」で上陸したユダヤ人難民の史実などを展示し、2020年度中の開館を目指している。

 市側が新ムゼウム開館1年目の目標10万人を達成しても年約2680万円の赤字となる試算を示したことに対し、市会は13日の予算決算常任委員会で、市民に過度の負担を強いる収支見込みや運営計画は認められないなどとして、建設関連費を削除する予算修正案を賛成多数で可決していた。

 この日の本会議で、最大会派市政会の浅野好一議員は予算修正案への賛成討論に立ち「新ムゼウム建設後の運営費、収支計画の信頼性や説明が不十分。市民利用についても希薄な計画で、再度精査が求められると判断した」と強調した。

 一方、山崎法子議員(公明党)は反対討論で「新ムゼウムは数少ない敦賀のシンボルとなり、将来のために魅力ある施設に育てていくべきだ。何を求めての予算削除か。私たちの議論は政争の具になっていないか」と疑問を呈した。

 結局、22人中12人が予算修正案に賛成した(採決前に1人退席)。

 建設費への充当を見込む国の補助金の適用期間をにらみ時間的余裕のない中、市側は運営費の縮減などの見直し案を早急に議会に示し、早ければ来年1月にも臨時議会を開いて関連予算案を諮りたい考えだ。

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