義足や装具を着けていても履きやすく加工した長靴とムートンブーツ(右から4足)。左2足は加工前の一般製品=福井県福井市四ツ井2丁目の長尾製靴所

 義足や装具を着けたままでも履きやすいよう、既製品の長靴を加工する長尾製靴所(福井県福井市四ツ井2丁目)のサービスが、受注を伸ばしている。3年前にホームページ(HP)でPRを始め、全国から依頼が来るようになり、年々認知度が高まっている。ムートンブーツの加工も今年から本格的に手掛け、秋以降注文が寄せられている。

 足の障害で義足や装具を着けていると足首が固定され、履き口が狭い長靴は脱ぎ履きが難しい。長尾製靴所は、既製品の長靴の前面を縦に切って開き、生地を縫い付けて履き口を広くする加工を施す。履くときはベルトで締め、足にフィットさせる仕組みだ。

 長尾浩和代表(51)によると、こうした加工を受注する事業所は全国でも珍しく、各地からニーズがある。同じような加工で履きやすくした製品はあるが、長尾製靴所は一般に販売されている長靴を加工するため、顧客が好みのデザインや色を自由に選べるのが特長だ。子どもからキャラクターものの長靴の加工依頼が来ることも多いという。

 注文が入ると、まず顧客とやりとりを重ね、義足や装具の状態、最適な長靴のサイズなどを入念に確認する。その上で購入した長靴を送ってもらい、スタッフが加工して返す。加工費は両足で税別8900円から、片足で同6千円からとしている。

 おしゃれで保温性が高いムートンブーツも同様の加工で対応する。北海道など寒冷地を中心にオーダーが入っている。

 HPで加工の紹介を始めた2015年の受注は年間約40足だった。以降着実に増え、今年はムートンブーツと合わせ120足を超えた。

 顧客からは「長靴のおかげで息子が雪遊びキャンプに参加できました」「幼稚園児の娘が装具を着けており、これまでは双子の姉にも長靴は買わないようにしていましたが、姉妹そろって履かせてやることができます」といった喜びの声が寄せられている。長尾代表は「今後も加工を続け、必要とする人たちに届けたい」と話している。

 長尾製靴所は00年設立。長尾代表は1級義肢・装具製作技能士の資格を持ち、足が不自由な人向けのオリジナルオーダー靴の製作を主業務とする。問い合わせは長尾製靴所=電話0776(52)6880。
 

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