知事選の推薦問題を巡って紛糾した自民党福井県連定期大会=12月15日、福井県福井市のザ・グランユアーズフクイ

 自民党福井県連の定期大会は12月15日、福井市内で開かれた。来春の知事選を巡り、執行部が前副知事の杉本達治氏(56)の推薦上申は覆らないとしたのに対し、5選を目指す現職の西川一誠氏(73)を支持する県議会議員らは「民主的に党員投票で決めるべきだ」と反発した。だが執行部は一切受け付けず、最後は議長判断で協議を打ち切った。県連内部の溝はさらに深まり、このままでは分裂選挙に突入することが必至となった。

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 知事選を巡っては、党幹部が10日、県連所属の国会議員を党本部に集め「一本化に向けた努力をしてほしい」と分裂選挙の回避を求めていた。だが定期大会は、混乱収拾にはほど遠い結果となった。

 大会には県内各支部の代表者や県議、市町議員ら約380人が出席した。

 県連の役員18人で構成する執行部は、西川氏と杉本氏から推薦願が提出された数日後、杉本氏だけを議論の俎上(そじょう)に載せて推薦上申を決定した。その後、総務会で経過を報告し、党本部に上申した。西川派は、執行部の決め方が「民主的ではなく、到底納得できない。党員個々の意見を聞いてほしい」として、党員投票の実施を強く求めた。

 県連会長代行で、県会最大会派県会自民党の県議15人でつくる「西川県政と共に歩む会」会長を務める山岸猛夫氏が、執行部のひな壇の席上から「県連は西川氏の4選出馬の際に推薦している。5選出馬に当たっても県連は推薦できるのに、杉本氏の推薦願しか議論のテーブルに載せなかったのはおかしい」と批判する場面もあった。

 これに対し斉藤新緑幹事長は、知事選候補者の推薦は「連続3期まで」とする党本部選挙対策要綱に基づく県連ルールにのっとって杉本氏の上申を決めたとの説明を繰り返し、党員投票には取り合わなかった。西川氏の推薦願を議論しなかったことには「前回の西川氏への県連推薦は、党本部推薦の対象者がいなかったからだ。今回は対象者となる杉本氏がいる」と理解を求めた。杉本派の出席者も「決まったら団結するのが自民だ」などと声を上げた。

 双方の主張が平行線をたどる中、議長の田中敏幸会長代理は大会閉会を宣言。その後、杉本氏と来夏参院選福井選挙区で自民公認を得た滝波宏文氏の必勝を期すガンバロー三唱が行われたが、西川派を中心に半分ほどの出席者が足早に退席した。

 大会後、山崎正昭会長は記者団の取材に「百パーセントと言わないが、おおよその皆さんの理解を得られたと思う。今後努力し、党員・党友一丸となって全力を挙げていきたい」と話した。党員投票については、過去の実施で県連内部にしこりが残ったとし「しないというのが、私の信念だ」と強く否定した。

 知事選には西川、杉本両氏のほか、県議の中井玲子氏(60)が出馬を表明。共産党県委員会も候補者擁立を模索している。

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