北陸新幹線の福井県内用地取得率

 2023年春開業予定の北陸新幹線金沢―敦賀間の用地取得完了に向け、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、地権者の同意がなくても強制的に公共工事に必要な土地を取得できる「土地収用」の手続きに着手したことが12月14日、分かった。福井県内区間の土地の取得は面積ベースで99%を終えており、収用対象となるのは取得の見込みが立っていない鯖江市と越前市の計約1100平方メートル。機構は「開業に影響がないよう収用の準備を進めるとともに、任意の譲渡に向けても最大限努力していく」としている。

 関係者によると、機構は国土交通省から11日に収用の事業認定を受け、地権者への説明に入った。

 機構の委託を受けて用地獲得を進めてきた福井県によると、金沢―敦賀間は12年6月の着工認可時、県内7市町で75万3千平方メートルの用地取得が計画された。その後の測量やトンネル出入り口部分の斜面補強の範囲拡大に伴い徐々に増え、最終的に103万2千平方メートルの取得が必要になった。

 地権者と交渉した結果、11月末時点であわら、坂井、福井の3市と南越前町での取得を完了。敦賀市は取得確実な市有地を含めると取得率は100%になった。

 見通しが立っていないのは鯖江市の約千平方メートルと越前市の約100平方メートル。鯖江市の土地について県幹部は「収用の手続きと同時並行で、地権者と任意での譲渡交渉も続け、なるべく折り合いを付けていきたい」とする。越前市の土地は所有者不明で交渉できないため、収用に入るという。

 このほか高架橋などの建設に支障となる物件187戸は全て取り壊しの合意を得て、既に大部分の更地化を終えた。残る数戸の物件については調整中だが、年度内には更地化が完了する見込み。

 新幹線事業は開業前に、軌道・電気工事と試運転のために約3年の期間を確保する必要がある。このため高架橋などの建設は20年春ごろまでに終わらせる必要がある。県幹部は「建設はピークに入っており、用地取得は待ったなしの状況。交渉は長期化しているが、100%まであと一歩。一日も早く取得を終わらせたい」としている。

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