高速増殖原型炉もんじゅ=福井県敦賀市

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉を巡り、もんじゅ構内で働く日本原子力研究開発機構の職員とメーカー、協力会社の社員の合計数が、9月末時点で廃炉決定前に比べ200人程度減り、800人台となっていることが原子力機構への取材で分かった。政府は廃炉決定後10年間、地域経済への影響を考慮し千人の雇用を維持すると地元に約束していたが、本格的な廃炉作業が始まってすぐ実質減となった状況に説明責任が問われそうだ。

 原子力機構によると、2016年12月の政府の廃炉決定前、もんじゅ構内で働く機構職員や協力会社などの合計人数は、14年が1044人、15年956人、16年1046人(いずれも9月末時点)と、千人前後で推移。廃炉決定後の17年は910人となり、本格的な廃炉作業の第1段階となる燃料取り出し開始後、今年9月末は826人にまで減った。

 機構職員以外の協力会社などの人数減が主な要因で、16年の736人が今年9月末には517人となった。機構は「16年は(機器の点検漏れ問題を受けた)保全計画見直しに伴い、点検の作業要員が例年より増えた。一方、今年は燃料取り出しを行っている兼ね合いで、点検作業量が減ったため」としている。

 もんじゅは今後定期検査入りし、来年1月末ごろから本格的な点検業務が増えるため、協力会社などの人数も回復するとみられるが、定検後に燃料取り出し作業が再開すれば再び減少に転じる可能性が高い。機構は「今後は設備の解体準備なども始まっていくので、総じて千人規模を維持していく」とするものの、実際に維持できるかは不透明だ。

 もんじゅの廃炉を巡り、敦賀市や市議会は地域経済への影響を不安視し、もんじゅ関連で働く千人の雇用維持を政府に再三要望。政府は17年11月に「千人の雇用を10年間維持し、以後の減少分を補う道筋を示す」と回答した。ただその後、政府は具体的な雇用維持策や道筋を示しておらず、その上、実質800人台と乖離(かいり)している現状に地元の反発も予想される。

 もんじゅで働く地元の協力会社の幹部は「点検業務や要員数は時期によっても変動があるので、国は千人の雇用維持の考え方を整理し具体的な方策を示してほしい。地域経済の落ち込みを抑えることが大事なので、廃炉作業に地元が参入しやすい環境づくりも行うべきだ」としている。

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