雷が鳴っても正常に作動するよう開発され、特許を取得した防災ラジオ=福井県鯖江市本町2丁目のたんなん夢レディオ

 福井県の丹南地区でコミュニティーFMを放送するNPO法人「たんなん夢レディオ」(福井県鯖江市)がタイヨー電子(同)などと開発した防災ラジオが、特許を取得した。雷が発生すると誤作動を起こしやすい従来製品と異なり、緊急時の避難情報などが確実に住民へ届くよう工夫した。既に佐賀市などで導入されており、台風や豪雨時に活躍している。

 防災ラジオは緊急時、電源を切っていたり他の番組を聞いたりしていても、自治体などからの災害情報が強制的に流れる仕組みになっている。しかし従来の防災ラジオは、雷が発生すると誤作動を起こしたり、ラジオを起動させる信号が正常に届かず放送が流れなかったりしていた。

 豪雨などの災害は雷を伴うケースが多い。同法人の伊藤努会長は、雷が鳴っても正常に作動するラジオが作れないかと、ラジオを起動させる信号を数秒間に3回送り、そのうち2回正常に届いたら起動するシステムを考案した。雷の発生時にも正確に災害情報が届くようになり、今年11月中旬に特許を取得した。

 伊藤会長が佐賀のFM放送局の関係者と親交があったことから、佐賀市はラジオが完成した2014年に導入。自治会長や民生委員宅、学校、福祉施設などに計約5500台を配備し、豪雨や台風が多い夏から秋にかけて毎年活躍しているという。市消防防災課の担当者は「今年は10回ほど避難情報を発信した。雷が鳴っても正常に作動しており、役に立っている」と話す。

 伊藤会長は「放送局が受信機を開発するのは珍しい。メーカー任せにするだけでなく、現場のニーズに合ったものを自ら開発することも大事。このラジオが全国に広がって防災に一役買えれば」と話している。

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