国道8号で雪に埋まったトラックや乗用車。最大で約1500台が立ち往生した=2018年2月6日、福井県坂井市丸岡町一本田中

 2月上旬、福井県内は嶺北地方を中心に激しい降雪に見舞われ、福井市の積雪が7日に147センチに達するなど記録的な大雪となった。除雪が追い付かず、市民生活は大混乱。物流はストップし、経済活動も大きな打撃を受けた。国道8号の大規模な立ち往生を受け、今冬から異例の降雪時に一部区間でチェーン装着が義務化されるなど、さまざまな教訓を残した。

 県危機対策・防災課のまとめによると、雪に埋もれた車内で19歳男性が一酸化炭素中毒で亡くなるなど今回の大雪で12人が死亡、121人が負傷し、1981年の五六豪雪に迫る規模となった。住宅の全半壊、浸水被害は計451棟に上り、農業用ハウスの倒壊は千棟を超えた。

 あわら市のあわら温泉の予約キャンセルは、2月16日までの12日間で延べ1万1千人に。小売店に食料品などの商品が届かず、ガソリンや医薬品も不足した。従業員の安全確保のため休業とする製造業もあった。休校も相次いだ。

 JR北陸線、えちぜん鉄道、福井鉄道福武線は運休が続き、JR越美北線は2週間運転を見合わせた。路線バスも数日間運行できず、市民の足が奪われた。北陸自動車道と中部縦貫自動車道も通行止めが続いた。

 国道8号の立ち往生は2月6日午前から拡大し、石川県境から福井市街地の間で最大約1500台が動けなくなった。県は陸上自衛隊に災害派遣を要請し、6~10日の5日間で隊員延べ約5千人が除雪支援に当たった。

 あわら市の国道8号沿いにあるガソリンスタンド店の女性(76)は「五六豪雪よりもひどかった。立ち往生の車で道路がふさがり、お客はほとんど来なかった」と振り返る。それでも営業を続け、1日20~30人のドライバーにトイレを開放した。

 教訓を踏まえ、国土交通省や県などは除排雪車両や監視カメラを増やした。国道8号の2区間を除雪優先区間に設定し、最重点路線にバス路線や物流拠点へのアクセス道も加え、物流や公共交通路線の確保に当たる構えだ。12月10日に公表されたチェーン義務化の区間には、同市の国道8号(延長4キロ)も含まれた。女性はあのような事態が二度と起こらないよう「特に大型車はチェーンを携行して備えてほしい」と訴えた。

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